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１０ 〜A.M ページ10
「ゆっくりでいいよ」
そう声を掛けると、彼女は手をぎゅって握り締めて、一つ深呼吸をした。
「私…学校で、いじめに…」
「うん、そっか」
彼女の話に相づちを打つだけ。彼女が話したい事、吐き出したい事を全部話すまで口は挟まない。
やっぱりキッカケは去年のバレンタインだったという。ホントになんで？ って感じ。
Aちゃんは学校で一番有名な先輩にチョコをあげようとした。その人は、毎年いっぱいチョコを貰ってて、持って帰れなくて親が迎えに来たことがあるってくらい。
「だから…私、心のどっかで決めつけてたんだと思います…とりあえずチョコは受け取って貰えるって…」
自分を馬鹿にするみたいに笑うAちゃんの顔は痛々しくて…
「でも…ダメでした。受け取ってもらえなかったんです」
チョコを差し出したAちゃんに「誰？」って言った先輩。その言葉に彼の周りにいた友達が笑って茶化した。
「もう、惨めで…恥ずかしくて…逃げたんです」
走って逃げた彼女。渡したかった綺麗にラッピングされたチョコをゴミ箱に投げ捨てて、泣きながら帰ったそうだ。
それだけでも傷付いた彼女。でも、その傷を抉るような事が翌日から始まった。
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かなと - 実在する方、キャラなどのお名前を借りている作品なら二次創作になりますのでオリジナルフラグをお外し下さい違反になります (2019年3月29日 19時) (
レス) id: 911bae9713 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なる | 作成日時：2019年3月29日 18時
