(仮) ～サイド～ (ページ9)

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９～A.M ページ9

バイトからの帰り道。Aちゃんを送るために駅までの道を一緒に歩く。

下を向いてトボトボ歩くAちゃんの歩調に合わせて、ゆっくりと。

何も話さないAちゃん。俺から聞いてもいいのかな？って思い始めた時に、Aちゃんが立ち止まった。

「あの…話、聞いてくれますか？」

すごく小さな声で。すがるような目で。不安そうに手をぎゅって握って。

「うん、聞くよ」って答えたら、少しだけ安心したのか、ホッと息を吐いた。

「歩きながらってのもアレだよね…あ、公園行こっか？」

駅の隣にある小さな公園にベンチがある事を思い出して提案すると、彼女がコクって頷いた。

「はい、どーぞ」

先にベンチに座らせておいた彼女に、ミルクティーを差し出す。

「ありがとう、ございます」

本当はコーヒーより紅茶が好きな彼女。

最近は俺に付き合って、休憩の時にコーヒーを飲んでるけど、元々はずっとミルクティーとかレモンティーを好んで飲んでいた。

「よいしょ」って彼女の隣に腰を下ろして、彼女が話し出すのを待った。

「あの、何から話せばいいのか…」

頭の中を整理しようとしているのか、彼女は忙しなく視線を動かして、瞬きを繰り返す。