(仮) ～サイド～ (ページ7)

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７～A.M ページ7

『Aブレンド』というAちゃん専用のブレンドを作った頃から、少しずつ話をしてくれるようになったAちゃん。

でも学校の話はやっぱり出てこない。当たり前か…

それでも少し心を開いてくれた事で、今まで気付けなかったAちゃんの変化に気付けるようになった。

今日は特に辛そうだなって、いっぱいいっぱいなんだろうなって思った日には、『Aブレンド』に試作品のスイーツを付けて出したりした。

そうするとAちゃんは安心したように少し笑うんだ。

そーしてる内に俺にも変化が現れた。

高校を卒業したら働くつもりで内定も貰っていた俺。でも、やりたい事が見つかった。

喫茶店でもカフェでも良いから、コーヒーを淹れる人になりたいって、Aちゃんの柔らかい笑顔を見てから思うようになった。

そこから親を説得して、学校にも話して、内定くれてた会社にも謝りに行った。

「俺、調理製菓の専門学校に行くことにしたんだ」ってAちゃんに話したら、少し驚いてたけど、その後寂しそうな顔をした。

「いいな…やりたい事があって…」

「Aちゃんは無いの？進路とかそろそろだよね？」

「無い、です…進路は普通に大学に進学すると思うけど」

「ふーん…じゃあさ、俺のコーヒー飲みながら、ゆっくり考えよっか(笑)」