(仮) ～サイド～ (ページ3)

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３～A.M ページ3

「別にお客様はAちゃんの素の姿が見たい訳じゃないんだし。ここで気持ちいい時間が過ごせれば、それで良いんだから」

そう言って、Aちゃんに女優になれって、素の自分を隠す事を教えてしまったんだ。

俺の提案をすぐに理解した彼女。そして実践に移した彼女。

お客様からも「あの子明るくなったね」って言われるようになって、俺も安心した。良いことしたなって悦に入っていた。

でも、ホールでの彼女は劇的に変わったのに、一歩裏に入れば元の彼女に戻ってしまう。もう１ヶ月近く一緒にいるのに、全然打ち解けてくれない。

なんなんだよってちょっと面白くなく思っていた時に遊びに行った友達の家。そこで友達の1つ年下の弟にたまたま会ったんだ。

彼の着ている制服を見て、Aちゃんと同じ高校だなって思って、なんとなく聞いてみただけ。あんなんで高校どーしてるのかな？友達いるのかな？ってちょっと気になっただけ。

「ねぇ、同じ学年にさ、一ノ瀬 Aちゃんっているの知ってる？」

「一ノ瀬？ …あぁ、１年の時同じクラスだったけど、なんで？」

「ん？いや、どんな子かなって思ってさ」

「ふーん…知り合いなんだ？」って教えてくれた内容に驚いたし、困惑した。