(仮) ～サイド～ (ページ19)

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１９～A.M ページ19

高校を卒業して専門学校に入学した俺。

通学に１時間以上掛かるけど実家から通う事にした。喫茶店のバイトも続けた。

３年生になったAちゃんは、やっと親友だった子とクラスが離れた。でも、顔を合わせる事が無くなった訳じゃない。

飽きること無く続くいじめに彼女は何度も泣いたけど、俺の前では素直に感情を出してくれるようになった。

Aちゃんに会う度に、別れ際にブレスレットにお願いというか、おまじないをするのが俺の習慣にもなった。

『Aちゃんが強くなれますように』って。

「何をお願いしてくれたの？」って聞く彼女に「内緒ッ」って答えるのも毎回の事。

親友たちがいじめなんてくだらない事をやっている間も、バイトと並行して勉強もちゃんと頑張っていたAちゃんは、早々に推薦で大学も決まった。俺でも知ってる有名な大学。

その頃、Aちゃんのお母さんが再婚することになって、彼女の卒業を待って、入籍と引っ越しをすることも決まっていたから、この機会に彼女は一人暮らしをすることになった。

彼女の大学と俺の学校は2駅しか離れてなくて、俺も通学が大変だったから、近くに引っ越しを決めた。

高校を卒業して、一人暮らしを始めて、彼女は『一ノ瀬』から『天野』に名前も変わる。

これだけ環境が変われば彼女も変わるって、俺は簡単に考えていたんだ。