(仮) ～サイド～ (ページ18)

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１８～A.M ページ18

「Aちゃん左手貸して」

「え？」って顔したAちゃんの左手を取って、パワーストーンのブレスレットをつけた。

「友達の証！側に居られない時も多いからさ」

左手についた真新しいブレスレットを不思議そうに、マジマジと眺める彼女は、今まで見てきた中で一番幼く見えた。

「大丈夫だよ。これから楽しい事がいっぱい待ってるよ。だからコレはAちゃんが強くいられる為のお守り」

そう言って渡したブレスレット。

ブレスレットから視線を俺に移した彼女の瞳は、涙がいっぱいに溜まっていて。

「強くなれるかな？」って聞くから「なれるよ」って。
「楽しい事なんかあるのかな？」って言うから「あるよ。俺が作ってあげる」って。
何度も何度も繰り返した「大丈夫だよ」っていう言葉。

「俺がいるから。もう1人じゃないよ。俺の所に逃げておいで」

泣き崩れた彼女の頭をそっと撫でた。

「ちょっとうるさいかもしんないけど…まぁ、ソコは許してね」って言って笑ったら、彼女もつられて笑ったんだ。

笑いながら泣く彼女が面白くて、可愛くて、嬉しくて…俺もまた笑った。

「お返しがない。何を返せば良いのか分からない」っていう律儀なAちゃん。

「じゃあ、友達の証として、名前で呼んでくれない？」

『雅紀』は呼びづらいって言うから『まぁ君』

最近は誰も呼ばなくなった、Aちゃんだけの呼び名。