(仮) ～サイド～ (ページ17)

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１７～A.M ページ17

コクンと頷いたAちゃん。

多分あんまり意味は分かってなさそう。俺の勢いに乗せられただけかも。それでも良い。

「やった！じゃあ、まずは友達になんないとだね」

「……友達」

「そ！だって友情が一生モノかの実験だもん。あと、男女の友情が成立するかの。俺らが友達じゃないと実験にならないでしょ」

こじつけなのも、強引なのも分かってる。けど、今の彼女にいきなり友達になろうって言っても無理だと思った。怖がらせると思った。

「Aちゃん実験仲間になってくれるんでしょ？それなら実験の下準備。まずは友達になろう」

彼女の目に戸惑いと涙が浮かぶ。そりゃ不安だよね…友達に裏切られてるんだもん。でも、このままじゃダメなんだ。

「大丈夫だよ。俺ね、この実験成功すると思ってるもん。成功させたいもん。Aちゃんとなら絶対大丈夫！」

「……絶対？」

「うん。でもそれにはお互いに努力も必要だよ？俺は努力する。それは約束する！だって俺の人生掛けた、一世一代の実験なんだもん！」

「人生掛けた…？」

「うん！俺の人生くらい掛けるよ！その価値あると思うからさ。Aちゃんも騙されたと思って一緒にやろうよ」

緊張気味に小さく頷いた彼女は、ありったけの勇気を振り絞ってくれたんだと思う。その勇気を絶対裏切らないって、彼女の涙に誓ったんだ。