(仮) ～サイド～ (ページ13)

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１３～A.M ページ13

学校が終わってすぐに帰るとお母さんに怪しまれると思って、週に２、３日図書館に通うようになったらしい。友達と楽しい放課後を過ごしているように見せるために…

土日も友達と遊ぶって家を出て、一人で図書館に行ったり、買い物したり、映画みたり…。

そんな中で見つけたウチの喫茶店。バイト募集の貼り紙。

「1人じゃない場所が欲しかった…嘘をつかなくていい場所が欲しかった…」

そう言って泣きじゃくり始めたAちゃんの肩をそっと抱いた。

そっか…彼女は学校と家以外に新しい世界を求めたんだ。そこに光を求めたんだ。すがるような思いで…

苦しくて、辛くて、でも逃げられない現実…それに立ち向かうために彼女は外の世界に飛び込んだ。

怖かっただろう。とても勇気がいっただろう。そう思うと胸が痛くて、彼女を抱き寄せる手に力が入った。

俺にしがみついて、子供のように泣きじゃくるAちゃん。こんなに小さな身体で1人で一生懸命踏ん張ってきたんだ。

でも、彼女の心はもう限界にきている。このままじゃAちゃんの心が壊れてしまう…

Aちゃんが俺の居る店を選んだのは偶然かもしれない。でも、運命かもしれない。

彼女の力に、支えになりたい。そう思ったのは正義感からでも、使命感からでもない。ただ単純に彼女に惹かれたから。