(仮) ～サイド～ (ページ2)

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２～A.M ページ2

「Aちゃん、接客苦手？怖い？」

そう聞いた俺に、彼女は戸惑いながら頷いた。

「そっかぁ…でもこのままじゃマズイって、それは分かってるよね？」

俺も若干イラついていたんだと思う。全然改善されないAちゃんのホールでの姿に。

自分から接客業選んどいて、接客出来ませんって、何言ってんの？そう思ったんだ。

ちょっと語調の強くなった俺に怯えた目を向けてくるから、余計にイライラした。俺が悪いのかよって。

「どーしたら良いか、俺なりに考えたんだけどさ、もう1人の自分っての？キャラみたいなの作ってみたら？」

これがAちゃんのこれからの人生に影響するなんて思いもしないで、ただの親切、苦手を克服するアドバイスだと思って提案したんだ。

いきなり言われた事が理解出来なかったようで、Aちゃんは目を泳がせながら、少し首を傾げた。

「だからさ、Aちゃんが思うホールスタッフってどんな感じ？暗くて、声が小さい人じゃないよね？」

小さく頷く彼女にまたイライラが募る。ちょっとは喋れよ！って。

「じゃあ、どんな人？」

「…笑顔で…テキパキ、してて…元気な人…」

やっと喋った彼女はやっぱり声が小さくて、不安そうで、自信無さげで。

「だよね？だったらさ、そのキャラになりきれば良いんじゃない？ホールがステージだって思って、元気なキャラを演じれば良いんだよ」