029:走って転んで騒いで ページ30
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一緒に帰った日に、LINEを交換した。
あまりにもあっさりとしていたから実感が湧かないけど、
時たまに会話する。
彼のアイコンは、夕日を背景におばあさんと両端で手を繋ぐ女性と男の子の後ろ姿の写真で、
彼のおばあちゃんと姉弟なんだとか。
仲がいいなあ、とほっこりと胸が暖かくなって、何度も見返した。
バレー部は、憎たらしく暑い中しごかれるように地獄のサーキット練習らしい。
いつもお風呂の蒸気でサウナ状態を作りだそうとやっきになっている私だけど、
体育館のサウナ地獄は絶対に嫌だ。
何時の間にかやり取りをしていた角名先輩からは毎日の如く連絡が来る。
此方とて暇ではないのだ!
早く課題を終わらせて遊んで磨いて、
というはっちゃけサマーバケーションをめがけているんだ!
そしてお世話がめんどくさいのは私だって一緒だよ同盟だよ!
お兄ちゃんたちのお世話をして、(※実の兄ではなく、いとこです)
角名先輩の愚痴を聞いて駄弁って、
北先輩とたまに会話をして、
予定の合う友達やクラスメイトと遊んで何気に青春っぽいことをして、
ネットサーフィンしまくって見つけたたくさんの情報たちを続けていたら、
はてもう夏休み最終日になっていた。
時の進みは早いものです、止まってはくれませぬ。
すでにもう課題もすべて終わった私は無敵なのである。はっは。
暇を持て余していると、玄関のチャイムが鳴った。
「はーい!」
家の中誰もいないので、インターホンに出ると言わずとも侑くんと治くんのどアップ。
いや近いな鼻血出そう。
「ちょっと待ってね」
そう告げて玄関のドアを開けると、
「お久、Aちゃん」
スマホを構えている角名先輩と、何の思惑かにこにこと笑っているお兄ちゃんたち
と、真顔の北先輩。
……おまけ感覚で北先輩!?
ものすごいメンツに唖然としていると、治くんが口を開いた。
「俺ら課題終わってへんねん」
「勉強会しよ思たんやけど、俺らは家の鍵忘れたし、北さん家は遠いから、Aおねがい!」
ジュースないよな買ってくるかでもあっちいな、という脳内会議を起こすと、
「篠原さん、こいつらかなりやばいねん。頼む」
頭を下げる北先輩。
通さないわけがない、その誘いのった。
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パルム(プロフ) - らさん» コメントありがとうございます!確かにそうだな、と考えなおしました。北さんに二度目の好きを洩らした後のヒロインと北さんの展開はご想像していただけると幸いです。これからもっとその人物に寄りそう素敵な小説が書けるように努めさせていただきます。 (2021年8月9日 19時) (レス) id: 7103dc21f5 (このIDを非表示/違反報告)
ら - んー、2回もヒロインに告白させるのは北さんぽくないなぁ、、、せめて2回目は北さんからの方が綺麗なお話になっただろうに少し残念です。 (2021年8月9日 9時) (レス) id: c2c5a94e17 (このIDを非表示/違反報告)
パルム(プロフ) - 、さん» 教えてくださってありがとうございます!私自身もともと機械などに疎いのですが、うらつくが好きなので投稿させてもらっている次第でした。自分なりに調べてみて、今は外したことになっています。正直すごく不安なので、教えてくださると幸いです。 (2020年8月16日 6時) (レス) id: 7103dc21f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:パルム | 作成日時:2020年8月16日 0時