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肩を叩いて ページ1
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「貴大くん」
3月1日。
名前を呼ぶと、ブレザーの胸ポケットに卒業生の新しい門出を祝う花を挿した、その人が振り向く。
「A、久しぶり」
花巻貴大くん。
部活の先輩。別れを惜しむ声でいっぱいの廊下で、彼は人混みからそっと出てきて腰を曲げた。わずかに目尻を下げて笑う姿に、変わってないねと心の中で話しかける。
「久しぶり。元気だった?」
「受験期死んでたけど、今は元気。Aと会うの何ヶ月ぶりだったっけ。部活引退して4ヶ月くらい?」
「ちょいちょい顔は合わせてたけどね。フロア違ったから全然見てない感じするね」
「だな」
小さく髪を撫で上げ、「岩泉たちも呼んでこようか?話したいだろ」なんて言うから、首を小さく横に振る。
元彼女として、今はあなたとだけ話したい。
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作者名:パルム | 作成日時:2024年3月1日 22時