誘拐と、白。 ページ6
「中也逆さになるなら先に言ってよ…」
「おう、悪い」
「絶対欠片も思ってないよね」
まあ中也の異能で重力なんか気にならないんだけど。
私は中也に横抱きされたままだ。
賢治が線路振り回したり晶子さんが鉈振り回したりして本当に私死ぬかと思った。
皆容赦なさすぎだね?
「あ、ちょっと待って酔ってきたから寝る」
「文あんた無防備すぎるよ」
「あとは頼むよ晶子さん…おやすみ…」
なんだかんだで疲労していたのか、私はそのまま眠りについた。
神経図太すぎるだろうと思うがそこはご愛敬である。
…からから、からから。
「文…どこ…何処に、居るの…?」
からから、からから、からから。
がしゃん。
ガードル台が倒れて、彼の手首から点滴が抜けた。
ポタポタと、針の先から雫が落ちる。
彼は最早そんなことすらもどうでも良かった。
唯彼女だけを。彼女だけを。
「…守らなきゃ、守らなきゃ、守らなきゃ…
あの子はひとりなんだから…わたしが守らなきゃいけないんだから…」
ぶつぶつと呟きながら路地を往く。
切り揃えられたブロンドの髪が、隙間に射す光に照らされて輝いた。
彼の名は「フィオナ・マクラウド」。
組織の「職人」…
皮肉なことに、「彼女」の敵であった。
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流れ星 - 続編おめでとうございます!これからも愛読させて頂きます!頑張ってください(^^) (2016年8月7日 10時) (レス) id: 1ea4448835 (このIDを非表示/違反報告)
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