335:わずかな勇気 ページ20
ｳﾆｮｸ「…焦げそう」
香ばしい音をたてながら焦げる鉄板
瞬時に反応してそれを取った
そうするのをわかって言ったのか
彼がﾆﾔｯと笑うのが見えてﾊﾒられたと思った
ｳﾆｮｸ「そんなに嫌？奢るってことでいいの？」
「…奢りません」
ｳﾆｮｸ「じゃあどっち」
さっきから面白がっているようにしか見えない
態度や仕草に戸惑って
頭の中をいっぱいにしてﾄﾞｷﾄﾞｷしてることに
気付いた上での笑みなのかは
定かではないけど、確かにそう。
ｳﾆｮｸ「ねぇ」
「…帰ります」
ｳﾆｮｸ「え？」
弱く間抜けな声を無視して立ち上がると
顔が熱いのがわかる
何の考えもない、だけどもう
どうしたらいいか…居ても立っても居られない。
ｳﾆｮｸ「やだ！」
目を見開いて勢い良く立ち上がると
その右手が私の手首を掴む
見たことないくらいに慌てふためいて
痛いくらい力が強くて言葉を失いそうになる。
「……」
ｳﾆｮｸ「その…ごめん。帰らないで」
ほんの一瞬、怒ったと思ったから
彼の口から出てくる想像と真逆の言葉に
驚きを隠せなかった
「ｳﾆｮｸ…さん」
ｳﾆｮｸ「ごめん、本当に。ごめんなさい」
だんだんと俯きどこか必死な姿を
じっと見つめてしまう
きっと私は彼の言う”やだ”に弱いんだと思った
「…あの、嘘です」
ｳﾆｮｸ「…へ」
「ただちょっと…困っただけです。どうしたらいいか」
いつからなの、どうしてなの？
そんな風に振る舞うことがﾃﾞｰﾄだって繰り返すことが
勘違いさせるって思わせぶりだって
わかっているのか知りたい
ぎゅっと彼に視線を向けて訴えかける。
ｳﾆｮｸ「…えっと、その。うん」
「す、座りましょうか」
すると彼は素直に椅子に座ったものの
手首を掴んだままで
同時に私の身体も引っ張られる
「ｳﾆｮｸさん、手…」
ｳﾆｮｸ「帰らない？」
「帰りません」
ｳﾆｮｸ「本当に？」
疑う彼の右手が離れる気配はない
そのまま、私は箸で例の焦げかけた肉を取り
思い切って彼の口へと運んだ
照れないよう、拒まれないように素早く
驚きながらも彼は口を開いた
噛みながら、耳が赤くなっていくのがわかって
力が入っていた右手も自然と解かれた
ｳﾆｮｸ「…お、おいしい」
向き合いながら照れあって
わずかに勇気を出したことを少し後悔した。
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とまと(プロフ) - はるなさん» ありがとうございます(^.^)♪まだ次の章へと続いていきますので、キュンキュンなままかはわかりませんが楽しんで下さると嬉しいです！ (2014年8月19日 0時) (
レス) id: 4f0dfed52e (このIDを非表示/違反報告)
はるな(プロフ) - とってもキュンキュンさせてもらってます！もうこの物語が大好きです；； これからも楽しみにしてます！ (2014年8月16日 18時) (レス) id: 74df575286 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - りえさん» ありがとうございます^o^邪魔があるからウズウズ楽しい、っていうのもあるんですけどねｐｑぎゅはどう思ってるんでしょうね…(´･_･`) (2014年5月27日 23時) (レス) id: 4f0dfed52e (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - えしかさん» ありがとうございます^^この「早くくっついて！」ていう感じ…私も楽しいです。笑 コメントでやる気出る単純な人間なので、お陰様でがんばれてます♪またのぞいて下さい(･o･)♪ (2014年5月27日 23時) (レス) id: 4f0dfed52e (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - 星猫さん» 星猫さん！ありがとうございます(*^^*)そんなそんな…私こそいつも星猫さんの言葉でがんばれてましたよヽ(；▽；)ノまだ道のりは長いので、ついてきて下さいね♪ (2014年5月27日 23時) (レス) id: 4f0dfed52e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とまと
| 作者ホームページ：http://twitter.com/Its_U_hyuk
作成日時：2013年7月16日 11時
