It's you.. -Eunhyuk-【4】

171:頬の熱 ページ36

咳がひどくて、ﾊﾞｲﾄを早退……


迷惑をかけてしまう申し訳なさと
病院の診察中に

頭も使ってぐったり。


韓国語の日常会話に慣れたものの
細かいことがわからない

ただの風邪だけど


こんなとき異国での辛さを感じる。


顔が隠れるﾏｽｸをして、

重たい体で病院をあとにする


空港とかでよくﾏｽｸしてるよなぁって
こんなときにも頭に浮かぶのは

ｳﾆｮｸのことだったりする。


昨日の電話、首に巻いてるｽﾄｰﾙ、顔を覆うﾏｽｸ

どれを取っても思い浮かぶ人


今、何してるかな？今日は舞台かな？


目に入った病院の庭がﾍﾞﾝﾁに
腰かけて携帯を見る。


「大丈夫？」


どこからか声がする

ｷｮﾛｷｮﾛと見渡すけど誰もいなくて
空耳かと思いまた画面を見ていると


"後ろ"

と聞こえてきて、振り返った


ｳﾆｮｸ「大丈夫？」


「え…？」


ｳﾆｮｸがいる


ぼーっとする頭で状況を把握しようと
ぐるぐる考えたけれど

それよりも先に顔だけが熱くなる


ｳﾆｮｸ「熱もありそうだね」


「は…はい」


そのまま彼が顔を覗くように横に座ると
私は急いで携帯をしまった


ｳﾆｮｸ「…たまたまﾚﾅに聞いて。仕事まで時間があったから寄ってみた」


「はぁ…すみません」


考えていた人が目の前に現れる幸せが
じわじわと体に広がる

熱が上がってしまいそう


ｳﾆｮｸ「そうやって謝るの癖？(笑)ちょっと…寄った、だけだよ」


「充分…うれしいです」


何となく解釈できてきた

ﾚﾅが言ってくれたんだ、
だから今ここにこうしているんだと


ｳﾆｮｸ「会うの…久しぶりだっけ？」


「いえ、5日ぶり？ですよ」


ｳﾆｮｸ「そうだったっけ^^;」


おそらく私と会うことを
意識なんてしない彼にとっては

久しぶりな感覚なのか


ちょっとだけ気まずそうな顔をした


ｳﾆｮｸ「風邪、僕のせいでｽﾄｰﾙなかったからかな？でも似合うね青も」


「ちゃんと身に付けてますよ」


"身に付けています、毎日
今もあなたのことを考えていました"

内心そんな風に思いながら

悟られないように普通に接する。


二人の間を冷たい風が吹き抜けていくけど

頬の熱は冷める様子はなくて


また、ふいに隣を見て増していく気さえした。

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