白昼夢で会いましょう。(ym×in) (ページ21)

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side ym

「おい涼介、ちょっといいか？」

「んあ、なあに？」

某妖怪アニメを彷彿とさせる呼び方に振り返ると、声の主がくしゃっと笑った。

「薮ちゃんか、どーしたの？」

「この後飯でも行かないか？ちょっと話したくてさ。」

珍しいお誘い。グループの最年長が直々に話をしたいと。

最近伊野尾ちゃんの夢に悩まされてあまり眠れてないことを見透かされたのではないか、と背中に汗が滲んだ。

ツアー中とはいえ睡眠時間が多少は取れるスケジュールであるにも関わらず「夢から醒めるのが怖い」という理由で眠る気にならないのだ。

おかげで自慢の美肌がピンチで、うっすらクマも出現している。やばい。

こういう些細な変化も見逃さず気配りできる薮ちゃんには頭が上がらない。(←正解)

だが、俺の悩みはそんな大層なことではない。

恋心を拗らせた成れの果てだ。

恋………？

「うん？」

「行ける？行けるんだな？おっけ、店予約しておくね～♪」

「あ、うん…」

いつのまにか約束が取り付けられてしまったようだ。

もしも何か聞かれたら、どう答えようか。

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