_____17 ページ18
side yt
「やまだ、夢の中で俺の名前呼んでたでしょ。俺出てきたの？」
「ああ、うん。出てきたよ。」
「へー、そっか。なに役で出たのかな〜、例えば、恋人とか？」
「ぶっ！」
やまがさっきまで赤ちゃんみたいに飲んでた紅茶を吹き出した。
この紅茶は、圭人が呼び出されていることをいいことに勝手に飲んでるやつだ。怒られろ。
「やだー、やまだ何やってるの！」
結構派手にやらかしたな。僕もティッシュを持って手伝うとしよう。
「やま、今時口に含んでたもの吹き出す系のリアクション古いよ。」
「すいまめーん…」
「ん？(若干の違和感)まあいっか。」
すいまめーんにはツッコまないのね、いのちゃん。
「というか裕翔！さっきからこっちのことチラチラ盗み見てたでしょ！！正々堂々と会話に加わりなさいよ男なら！！！」
「性別関係ないでしょ。あと、人間観察が僕の趣味だから。」
「「……」」
やまといのちゃんに白い目で見られた。
人間観察ってそんなにやばい趣味なの？
視線に耐えかねて話題転換を試みる。
「そーそ、山の夢に出てきたいのちゃんってどんなだったの？あんなにうなされてたなら悪魔役とか？」
「あり得る。」
なぜか肯定するいのちゃん。
「んーん、そうじゃ無いよ。
伊野尾ちゃんと俺がなぜか同居してて、朝ごはん食べてる夢。」
「なにそれありえない」
アホっぽい声でいのちゃんが言った。
…アリエールでしょ。(言いたかった)
「それでね、伊野尾ちゃんが消えそうになっちゃうんだ。それが寂しくておれうなされてたのかも、」
何だか今も寂しそうに、夢の中にいるように呟くやま。
起きがけだからか語彙力が伴わず、なに言ってんのかよくわからなかった。
やまは現在思ったことを推敲せずにそのまま口に出しちゃうモードらしい。
でも、聞いた感じそこまで深刻じゃなくて良かったと思ってしまう自分がいた。
「伊野尾さん、そろそろお願いします」
「はーい、」
いのちゃんがスタッフに呼ばれたので、このお話もおしまいだ。
テンションが低めなやまをライブテンションまで持ち上げねば…！
と、思ったのに、
「やまだ」
「へ、」
「俺も、急に山田の前から消えちゃうかもしれないよ？」
びっくりするぐらい綺麗な顔したいのちゃんがそう言うから、やまも僕も黙り込んでしまった。
__
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 184人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「やまいの」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月兎 | 作成日時：2020年6月6日 13時
