498:【So Into U】 ページ44
かすめるように近づいて
頬に触れるその唇の感覚がくすぐったい
ふふっと微かな笑い声が耳元で聞こえたと思うと
それがふいに唇へと移っているんだから、彼は侮れない。
ｳﾆｮｸ「…無視されるの嫌だった」
「あれは、本当に無視のつもりじゃなくて」
ｳﾆｮｸ「”私の方がｳﾆｮｸさん好き”ってあれ、取り消してくれる？」
「どうして？」
ｳﾆｮｸ「負ける気がしないから」
反論をさせまいとまたすぐに口を塞がれる
一瞬のことでよく見えなかったけれど
強く真っ直ぐな眼差しに、ものすごくときめいた
目を開けたら心臓が溶けてしまいそうで
例え今また静電気が生じても
私たち二人を遠ざけることはできないと思った。
ｳﾆｮｸ「ぼさぼさ(笑)」
少しはにかんだように
さっきの私の真似をして前髪を直してくれる
こんなとき込み上げてくるこの気持ちが
俗にいう”好き”という感情なんだと、ぼんやり彼を見つめた。
「好き……」
ｳﾆｮｸ「うん？」
今の、柔らかな声も
覗き込んでくるその目も好き
「すっごい好きって言いたくなったから、好きって」
ｳﾆｮｸ「何で急に…？」
すぐ照れるところも歯を見せる屈託のない笑みも
語り尽くせないほどに好き
連絡するしないの駆け引きみたいなことも
もう堪えたりすることも必要ない
少しも隠さずに素直になって
ただその瞳を見つめて何度でも伝えたい言葉。
「すごく好き、本当に好きなの」
ｳﾆｮｸ「うん」
「伝わってる？」
ｳﾆｮｸ「うん…もう、もう恥ずかしいってば(笑)」
そう言って両手で顔を覆う姿は
ｷｽをしてきた人に思えない程に耳が赤い
廊下から足音と気配を感じて
彼は、瞬時に私から身体を遠ざけた。
ﾘｮｳｸ「A〜？ｽﾄｰﾙ忘れて行ったよっ…」
ﾄﾞｱを開けてﾆｺﾆｺと入って来た彼は
並んで座っている私たちを見て目を丸くした
ﾃｰﾌﾞﾙの下でぎゅっと手が握られる
ﾘｮｳｸ「もしかしてﾁｭｰしてた？！」
「「してない！！」」
見事に重なってしまった声は
”ﾁｭｰしてた”事実を自ら明かしているようなもので
ﾘｮｳｸは笑いながら小走りで出て行く。
ｳﾆｮｸ「…完全に気付かれた」
「ｵｯﾊﾟの顔が赤いからでしょ？」
ｳﾆｮｸ「Aの顔に書いてあったんだよ」
「違っ…！」
頬を膨らましかけた私の唇を、また彼が塞いだ。
【So Into U / f(x) 】
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1548人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆうか - 3日前から寝る間も惜しんで読ませていただいています！ほんっとうにドキドキしたり泣いたり、、、とても楽しませてもらっています！ (2016年8月26日 0時) (
レス) id: 7dbae097be (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - おかめさん» こんにちは、ありがとうございます(^o^)夜寝る前の癒しになるよう、適度に更新できるようにがんばりますm(_ _)m (2016年8月14日 23時) (レス) id: 423100b732 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - ともこさん» こんにちは。ラブラブな感じで多少は描けるようにがんばります(^o^)！ (2016年8月14日 23時) (レス) id: 423100b732 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - りんさん» こんにちは、優しいお言葉ありがとうございます(^o^)！生活の隙間でちょこちょこ書きながらがんばります！ (2016年8月14日 23時) (レス) id: 423100b732 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - MOONさん» こんにちは！ドキドキやらハラハラやら色んな爆弾を抱えながら書いています(｡-_-｡)笑 また見守っていただけると嬉しいです！ (2016年8月14日 23時) (レス) id: 423100b732 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：とまと
x他1人 | 作成日時：2015年8月1日 23時
