496:認識 ページ42
真向かいにいる気まずい彼と
目を合わせないようにするほど、視線がぶつかる
私自分が連絡を返さないせいで
より気まずくしてしまってるくせに身勝手だ
ﾋﾁｮﾙ「ていうか元々は何で仲良いの？ﾄﾞﾝﾍの前で泣いてるときから誰こいつ、って思ってたけど」
”ﾄﾞﾝﾍの前で泣いていたとき”
さっきから何度も繰り返されるそのときのことを
あまり知られたくない私は口を噤む。
ｳﾆｮｸ「ﾋｮﾝ……僕の」
ﾋﾁｮﾙ「え？」
ｳﾆｮｸ「Aは、僕の彼女です」
”彼女”
…その言葉に思考回路が停止した
あまりに突然で空耳かもしれないと考える
だけど、一瞬で妙に静まる空気で
聞き間違いなんかじゃない現実だと感じてくる
ﾋﾁｮﾙは決して彼と私の関係性について
はっきり追求したわけではない
だけど今そのことばを言ってくれたのは
少なからず、私の気持ちに気付いてくれている？
そう受け取る、そう思いたい
だけどもし違ったらどうしよう……そうじゃない。
今、私のことを”彼女”と言い切ったことが重要なんだ。
ﾘｮｳｸ「Aー…どうしたの？」
やっと認識した頃にはもう遅くて
込み上げるものが止まらなくなるのと同時に
なぜか笑い声らしいものも聞こえてきて
微笑むﾘｮｳｸに肩を抱かれながら涙を拭った。
ｳﾆｮｸ「ごめん、えっ…あの」
「…っもう、ﾊﾞｶ」
ｳﾆｮｸ「ﾊﾞ…ﾊﾞｶ？」
ﾄﾞﾝﾍ「ﾊﾞｶ！」
当惑した様子の彼と私に便乗してﾊﾞｶと言うﾄﾞﾝﾍ
腕を伸ばしﾋﾁｮﾙが乱暴にﾃｨｯｼｭをくれる
【ﾊﾞｶ】なんて本当はそれが伝えたいことなんかじゃない
だけど、あながち間違ってもいない。
───…‥
「ﾊﾞｶ」
ｳﾆｮｸ「えっ、まだ言うんだ」
なぜか店の別の個室に移ることになった私たちは
少しの気まずさを引きずったまま
向かい合って座っている
壁に貼られたﾒﾆｭｰを眺めながら、水を飲む彼
何か話すべきか待つべきか悩みながら
ｽﾄｰﾙをさっきの場所に忘れて来たことに気付く
「私、ちょっと」
ｳﾆｮｸ「えぇえ？」
取りに戻ろうと立ち上がるとｳﾆｮｸに腕を掴まれた
ｳﾆｮｸ「待って、本当に待って。今日は帰らないで！」
「…あの。ｽﾄｰﾙを忘れて」
ｳﾆｮｸ「あっ…なんだ、また帰るって言い出すのかと思った」
胸を撫で下ろして笑う姿を見て、私はその隣に座った。
497:すごく好きだから-EH side→←495:バカ-RW side
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ゆうか - 3日前から寝る間も惜しんで読ませていただいています！ほんっとうにドキドキしたり泣いたり、、、とても楽しませてもらっています！ (2016年8月26日 0時) (
レス) id: 7dbae097be (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - おかめさん» こんにちは、ありがとうございます(^o^)夜寝る前の癒しになるよう、適度に更新できるようにがんばりますm(_ _)m (2016年8月14日 23時) (レス) id: 423100b732 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - ともこさん» こんにちは。ラブラブな感じで多少は描けるようにがんばります(^o^)！ (2016年8月14日 23時) (レス) id: 423100b732 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - りんさん» こんにちは、優しいお言葉ありがとうございます(^o^)！生活の隙間でちょこちょこ書きながらがんばります！ (2016年8月14日 23時) (レス) id: 423100b732 (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - MOONさん» こんにちは！ドキドキやらハラハラやら色んな爆弾を抱えながら書いています(｡-_-｡)笑 また見守っていただけると嬉しいです！ (2016年8月14日 23時) (レス) id: 423100b732 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：とまと
x他1人 | 作成日時：2015年8月1日 23時
