58話 ページ16
不破さんがタクシーを呼んでくれて
久しぶりに葛葉さんと一緒に帰る
バタバタしていて忘れていたけど
私は
今日葛葉さんに会えるのを楽しみにしていた
葛「まぁーなんだ、とりあえず座るか」
『はい』
葛葉さんの家なのに
葛葉さんがいることが珍しく感じる
心做しか
先程までの緊張が途切れたような気がした
葛「さっきの話聞いてたんだよな?」
『…すみません』
葛「謝ることじゃねぇ」
『はい…』
お互い本当に気まずくて
その空気を最初に断ち切ったのは
意外にも葛葉さんだった
葛「…ごめん。俺、ずっと見て見ぬふりしてた」
葛「もう嫌だったんだ。誰かが傷つくのも壊れるのも」
葛「好きな相手が…他の誰かのものになるのも」
『……っ』
気持ちがわかるからこそ
胸がギリギリと締め付けられるようだった
葛「あんまこういうこと言うと叶たちのこと応援してないみたいな感じになっちまうな。そうじゃないんだけど」
『…わかってますよ』
葛「全部わかったうえで決めたんだけどな」
『はい』
葛「俺って意外と心配性だから、いつまでも気になってたんだよなあいつらのこと」
葛「でも、気になってただけ…なんだ。本当に」
赤い瞳が
まっすぐ私を捉えた
葛「A」
『え、』
葛「Aは…俺を選んでくれる?」
『っ』
葛「おねがい、俺もう」
葛「Aだけしか選べない」
葛「好き」
最初の頃、あんなに苦手だった葛葉さんの瞳
『く、ずは…さん……』
葛「ん?」
今はもう不思議と怖くなくて
突然呼び捨てにされてびっくりしたけど
それさえも嬉しくて
こんな時くらい泣かないで言いたい
涙が零れる前に
『私は…とっくの、昔から……っ』
『葛葉さんしか…選択肢がないんです……っ』
葛「スゥー…」
『ずっと』
『あいたかった、』
『だいすき…っ』
言い終わると同時に
葛「っ……無理、かわいすぎる」
私の体は
葛葉さんの体温に包まれた
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Lu__A09(プロフ) - 何回か読ませていただいていて本人たちを配信等で見て来た後に見ると解像度が高過ぎて本当に面白いです。オタク新人だった私と推し始めて時間が経った私とで思う事が変わって本当に楽しいです。他な作品も読ませていただきます!! (5月17日 0時) (レス) @page34 id: ebf47e3a09 (このIDを非表示/違反報告)
HAL(プロフ) - てぇてぇ摂取過多でちにそうです、、神作品過ぎて作者様推せるいや推させてくださいありがとうございます(?) (2023年3月5日 22時) (レス) @page34 id: b6020486c6 (このIDを非表示/違反報告)
なこ - 2人の彼女を1人で味わってしまっていいんでしょうか?!もう幸せです!ありがとうございます! (2023年1月10日 21時) (レス) @page31 id: 5dfab54a96 (このIDを非表示/違反報告)
しゃぼてん(プロフ) - 好き以外の言葉が出ません!!読み始めたら手がとまりませんでした!!ありがとうございました!!! (2022年11月5日 11時) (レス) @page34 id: 6bed1bb593 (このIDを非表示/違反報告)
コッタ - 前作が大好き好きで、久しぶりに覗いて見たら、葛葉の出てる?!って思いすぐ読んじゃいました笑今作も前作同様にとても素晴らしい作品だなと思いました!天才すぎます!!ありがとうございました!そしてお疲れ様でした! (2022年10月14日 22時) (レス) id: 1873027507 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わさこ | 作成日時:2022年3月28日 15時