あなたの声に溺れて 3

101話 ページ10

『ふぅ……なんだか懐かしいな』













病院での検査を終え


日常生活に支障がないということで


つい先日無事に退院することができた














あの日以来


初めて会社のエントランスを抜けた
















マ「！？東雲さん……！！」


『お久しぶりです。心配かけて、ごめんなさい』


マ「良かった…本当に良かった！！！」


『へへ、すっかり元気です』













事前にマネさんには連絡していたんだけど


実際に会ったら私を見て心底びっくりしていた









私は幽霊か何かか？















マ「スタジオ用意しておきましたよ」


『何から何まですみません…』


マ「……初配信の時を思い出しますね」


『え？』


マ「あの時もこのスタジオから始まりました」


『確かに……そうですね。懐かしい』















あの日と同じスタジオから


また私は新しい1歩を踏み出す















マ「ただ…」


『ただ？』


マ「スタジオに先にお客さんが来てまして」
















そう言いながら扉を開けると

















椎「遅い〜、待ちくたびれたわ」














しいちゃん先輩が優雅に椅子に座っていた















『しいちゃん先輩…な、なんで』


椎「退院決まってから全然連絡よこさんから心配したやん！まぁ、元気そうで良かったけど」


『すみません…？』


椎「…1人で頑張ろうとすんなぁ。あてぃしはいつでもAちゃんの味方やから。今日からまた一緒に始めようや」


『……っ』















しいちゃん先輩は事前にマネさんに連絡して


どうしても私の復帰配信の時に一緒にいたいからスタジオの場所を教えて欲しいと懇願してきたそうだ














私がまた





1人で抱え込んでしまわないように





壊れてしまわないように















椎「あてぃしがついてるで。安心しいや」


『ふふ…心強いです。離れちゃダメですよ？』


椎「…最近あざとくなってきやがったなぁ」
















この先どんなことがあっても




私は絶対に大丈夫

















不安な気持ちはどこかへいなくなっていた















マ「そろそろ20:00です。いけますか？」















みんな、おまたせ















『大丈夫です。お願いします』



















" 東雲A がライブ配信中 "___

102話_復帰配信→←100話_Twitterにて

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