あなたの声に溺れて 3

96話 ページ5

先「東雲さん！目が覚めたんですか！」










辺りを見回すと



白いカーテンに白い天井



薬品の匂い











そっか、私、病院にいるのか











看「血圧測りますね」













慌ただしく


白衣を着た先生と看護師さんが数名入ってきた














先「うん、問題なさそうですね。ご自分の名前は分かりますか？」


『……東雲…A』


先「頭を強く打っていたようですが、記憶の方も大丈夫ですね。念の為、あと2、3日入院していただいて検査しましょう」


『あの、わたし……』


先「……大変でしたね。もう大丈夫ですよ」


『わたし、生きてる……っ』


看「東雲さん…」















生きてる








自分の手をまじまじと見つめる









頭も痛くない














葛「……ｽｩｰ…っ」


赤「ふぇ…、Aちゃん〜！！」


り「よかっ、た。よかったよぉっ」


笹「…((ｸﾞｽｯ」


本「もう、心配したんやからな…」














椎「…ばかぁ！！！ほんと、に…どれだけ心配したと思って、っ」

















こんなにたくさん、お見舞いに来てくれてたんだ



みんなボロボロと涙をこぼしている



どうやら私は



随分長く眠ってしまっていたようだ














叶「……おかえり、Aちゃん」














叶さんの涙が




私の手に落ちた
















『た、ただいま、です…』














『心配かけて、ごめ…なさい……っ』













『ずっと、ずっと』














『あいたかった……っ、』














そう言うと




全員に一斉に抱きしめられた










ぎゅうぎゅうとすごく苦しかったけど









その暖かさを忘れることは一生ない














神様



大好きな人達にもう一度会わせてくれて



本当に本当に



ありがとうございます














赤「退院したらお祝いしなくちゃね！」


葛「…レッドカーペット用意しておく」


叶「いいね」


笹「やめなよ」









『ふふっ』















戻ってきた日常が嬉しくて









私は笑いながら涙をこぼした

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