あなたの声に溺れて 3

119話 ページ28

叶「そろそろ戻ろうか」


『あ、でも葛葉さんが迎えにくるって…』


叶「たぶん嘘だねぇ」


『えっ』


叶「ここまで来て葛葉たちの考えに気づかないのもすごいね…」


『はい？』











いいから行くよと言い



当たり前のように手を繋いでくる叶さん














『ちょ、あの』


叶「ん？」


『み、みなさんに見られます…』


叶「いいじゃん。もう僕のAちゃんなんだし」


『なっ！？』














得意げに言う叶さんに


私の頬はまたもや真っ赤に染まった













結局部屋に入ってからも手は繋がれたままで














椎「！？……Aちゃん！」















その姿を見てその場にいた全員が状況を理解した














笹「やっとくっついたか〜！！！」


赤「ふへ、へへへ、いいね」


り「良かったぁ(泣)」


本「にいやんAちゃんおめでとう！」


葛「なんか叶のあの顔むかつくな」














祝福の声が鳴り止まない中














叶「葛葉」













叶さんが葛葉さんを呼んだ














葛「んだよ」


叶「ありがとう」


葛「…おう」


叶「葛葉？」


葛「もう泣かしたりすんじゃねぇぞ」


叶「ふふ、わかったよくーちゃん」














くーちゃんって呼ぶなぁ！と


叶さんを小突いて葛葉さんは戻って行った


この2人の関係性は素敵なものだと


私は改めて認識した
















椎「Aちゃん」


『しい、ちゃ…』


椎「あーあー泣かないでやー」


『しいちゃん先輩も…ないてる……』


椎「…嬉しいから、」


『うぅ……っ』


椎「おめでとう。Aちゃんはあてぃしの自慢の後輩やで」















そう言ってしいちゃん先輩は


私を優しく抱きしめてくれた















叶「なにあれ可愛い」


剣「めっちゃ良くない？何あそこ天国？」


黛「2人とも静かにした方がいいと思うよ」


葛「椎名ぁ！！！泣かしたな！？！？」


不「いやうるさいんよ」


黛「はぁ……」















うるさいなぁと言いつつ


しいちゃん先輩は楽しそうだった














明「みんなぁ！飲もうよォー！！」














明那くんの声を皮切りに




その日のパーティーは夜遅くまで続いた




みんなが楽しんでいる所を眺めながら




幸せすぎて















私はまたこっそり涙を流した

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