あなたの声に溺れて 3

113話_side叶 ページ22

叶「やっほ〜…ってあれ？もうみんな来てるの？」


葛「よぉ！遅かったな！！！！！」


叶「時間通りだけど(笑)葛葉が遅刻しないで来るなんて珍しいね」


葛「あーうるさ」


本「にいやんお菓子食べよ！！」















扉を開けたら


驚いたことに僕以外の全員が集まっていた


なかなか1番最後に来ることはないから


少しびっくりした














叶「明那もう出来上がってるじゃん」


明「かなえぇぇぇ愛してるよぉぉぉぃ」


黛「ごめんほんとに気にしないで」


剣「んははっ壊れてる(笑)」


月「剣ちゃん楽しそうね」


叶「あ！そういえばさ」
















僕には


部屋に入った瞬間から気になっていたことがある















叶「Aちゃんってここに来たりした？」
















さっきまであちこちでお喋りしていたのに


一瞬で静まり返った












え？何この空気…………え？？？？















笹「な、なんでそう思うん？」


叶「だって…」












そう言いながら











僕は香水をかける仕草をしてみせた













全員、やばいという顔をしていた














赤「そ、そんなわけないじゃあん！」


叶「…ふーん」


り「にいやん気にしすぎ！」


不「そうだ！ずは、ゲームの続きしよ」


葛「お、おうそういえばそうだったな」















明らかに何かを隠しているようだし


絶対にAちゃんが来たと思うけど姿が見えない


とりあえず今は


そのゲームとやらをしていよう

















叶「なんのゲーム？」


ド「肝試し」


葛「この階の真ん中らへんから電気付いてないんだけどよ、そこから1番奥の部屋に入って大きい箱の中の宝を取ってくるってやつ」


椎「ちなみにもう全員やったで」


叶「早くない？」


赤「あと叶くんだけだよ！結構怖かったよ〜」


叶「えー…わりと嫌かも」















ご存知の通り


僕はあまりホラーが得意ではない


あとから思えばここまでの会話はおかしなところばっかりだったなぁと冷静になれるんだけど












この時の僕は、簡単に信じてしまった















椎「いってらっしゃ〜い」















半ば強引に部屋から出され


ぽつんと立ち尽くす


廊下の奥の方は確かに真っ暗で


不気味な雰囲気を放っていた














叶「はぁ……行くか」



















覚悟を決めて






僕は一番奥の部屋を目指して歩いた

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