88話_side叶 ページ43
間違えるはずがない大好きな香り
"『これ、お母さんのお気に入りの香水なんです!』"
そう言って上着の内ポケットから
キラキラ輝く桜色の小瓶を見せてくれた事があった
あの日
散乱したバッグの中身にはその香水は見えなかった
今もまだ、あの可愛らしい上着にそれを忍ばせているのだとしたら
その匂いが移るくらい
彼が一緒にいたという事になる
葛「決まりだな」
明「ど、どうすんの」
不「そんなの決まってっしょ」
黛「追うしかない。行くよ叶さん、しっかりして」
叶「う、うん、」
半ば強引にまゆくんと不破くんに立たされ
少し離れたところから彼を追った
彼はほとんど使われていない、地下へと続く
避難用の階段をどんどん降りていった
葛「この会社に地下とかあるんだな」
黛「入口の扉はすごく錆びてたしずっと使われていないんじゃない?」
明「でもここも調べたんじゃないの?」
確かに、警察はこの地下も調べたはずだ
だとしたら一体どこに…
そう考えていると
彼が廊下の1番奥、突きあたりで立ち止まった
そこには長く使われていないであろう本棚などがいくつも置いてあり
彼はその荷物の間をくぐり抜け、1番奥にあった板のようなものをよけた
そこには、古びた鉄の扉があった
葛「なるほどねぇ…普通に見たらただ物置に使ってるようにしか見えないわな」
黛「よくあんなところ見つけるよね」
こんな人目につかない場所に出入りしてるんだから
あの部屋にAちゃんがいるのは確実
僕はもう待ちきれなくて
彼が中に入ったのを確認してから全速力で走った
明「かなかな、おちついて!!」
不「おっしゃぁ!!」
明「えぇ!?ふわっちも!?」
彼が軽々とよけて歩いた荷物も
今はとんでもなく邪魔な障害物に思える
そしてついに、そのドアノブに手をかけた時
" 『やめて!!!やめてよ…いや……っ』"
"『や、やめ』"
"『っっ!!!!!________』"
声にならない悲鳴と共に
ガンッという鈍い音がした
葛「っんだよ今の音!」
僕はドアを壊すんじゃないかという勢いで開けた
叶「Aちゃん!!!!」
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みよ - めっちゃ面白かったです!!私はあんまりしんみりしたのは読まないんですが、わさこさんのは、すごくなんと言うかグッと来て、、後半ずっと泣いてました。これからも頑張ってください!!続編も楽しく読ませていただきます✨😌✨ (2022年7月18日 21時) (レス) @page47 id: 5a9946419b (このIDを非表示/違反報告)
木犀 - 夢主ちゃん可愛いわたしと結婚しない…?? (2022年6月9日 23時) (レス) @page10 id: 00cc6f52eb (このIDを非表示/違反報告)
Rey - てぇてぇ....心停止 (2022年2月9日 10時) (レス) id: 2f97776fd5 (このIDを非表示/違反報告)
わさこ(プロフ) - 豆腐さん» 豆腐さんこんばんは!お祝いの言葉とても嬉しいです☺️豆腐さんからの応援がいただけるとの事なので続編も気合いを入れて頑張ろうと思います!! (2021年11月11日 19時) (レス) id: 55f6f75309 (このIDを非表示/違反報告)
わさこ(プロフ) - コッタさん» コッタさんこんばんは!ありがたいお言葉、大変恐縮です!コメントがなくともコッタさんの波動を感じておりました(私は何者)続編も頑張りますのでぜひ気軽に見に来てください! (2021年11月11日 19時) (レス) id: 55f6f75309 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:わさこ | 作成日時:2021年10月3日 15時