あなたの声に溺れて ２

60話 ページ15

『かなえ、せんぱ…』


叶「僕にはくっついてくれないの？」









……はい？









『な、なに言ってるんですか』


叶「僕だってAちゃんの事助けてあげるよ？」


『いや、その、それとこれとは』


叶「僕のこと見てよ」









そう言われたあと温かい手のひらに顔を包まれた


強制的に上を向かされた私は


叶さんの熱を帯びた目に吸い込まれそうになった









ちょっと待ってよ






これじゃあまるで









私の事好きみたいじゃないですか









『〜〜〜〜っ！！！！く、葛葉さぁん！！((大声』


葛「殺す」


剣「いてて…叶くん逃げて」


椎「けんもちぃしっかりしいや(笑)」


り「にいやんも葛葉もやめてよぉ！」


ド「お前たち！いい加減にしろ！！！」









ドーラママの一声と同時にスタッフさんが入ってきて









スタッフ「あのぅ…打ち合わせ始めても…？」


月「すぐ始めましょう」









ようやく打ち合わせが始まるみたいです








叶「…なんで葛葉がAちゃんの隣なのさ」


葛「お前どの口が言って」


ド「ん"ん"っ」


葛・叶「すみません」


スタッフ「じゃあ、当日の選曲から…」









途中、剣持さんからの視線が痛かったり


叶さんと目が合うと微笑まれたり


それぞれ曲の提案や流れなどを話していたが


あんまり頭に入ってこなかった









月「結構面白いセトリになりそうですね」


り「楽しみだね！」


剣「東雲さん、やっぱり僕と一緒に歌っt」


葛「却下」


『す、すみません…』









私の心を知ってか知らずか


私を守ってくれる葛葉さん


でも









葛「大丈夫か？」


『はい、ありがとうございます』


葛「無理すんなよ」









そう言って私の頭を撫でる葛葉さんは








とても切なそうな顔をするんだ

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