桜とぼくと君 (ページ11)

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北斗side

慎太郎が好きってことに気づいてから毎日が大変だ。

だって慎太郎はいつだってかっこいいから。

役の練習に真剣に取り組んでる横顔は誰も特には言わないけどみんな見てるんだ。かと思えばセリフを噛んで照れ笑いして。

ギャップで落ちそう、いや落ちてるんだけど。

自覚してからは特に隠そうともせずに堂々と慎太郎を見るようになってしまった。だから今まで以上にゴミ出しを任されるようになっちゃったけど、いつも慎太郎が手伝ってくれるから最近はゴミ出し係になってきた。

あー、今日も早く慎太郎と話したいなー。

「よぉ北斗。なににやけてんの?」

「うっわっ、樹か。びっくりさせんなよ。なんか用?」

「別に用はないけどサボりたいから逃げてきただけー。そんで?何にやけてたの。」

「はっ、はぁ?べ、別ににやけてねーし。」

慎太郎を見てかっこいいななんて思いながらにやけてたなんて言えるわけない。これは内緒の恋なんだから。

というより、今まで俺は自分のことをポーカーフェイスが得意な人間だと思っていたが、慎太郎絡みになると途端にそれも崩れるらしい。

「ふーん?お、あれは慎太郎か。白馬の王子様役なんだってな、案外似合ってんじゃん。」

「だろ?慎太郎ってちゃんとイケメンだから様になってんだよなー。俺のおすすめは横顔なんだけどね?もうほんとたまんないのよ。慎太郎のよk「ストップストップ!!もうわかったって。」」

なんだよ、樹から話振ったくせに。

なんて思いながら樹を見るとなんとも言えない顔していた。

そして口を開いて

「なあ北斗。お前、慎太郎のこと好きなの?」

なんて、1発で当ててきやがった。