最終話 ページ28
.
〜貴方 side〜
海に来ていた。
月が浮かぶ海。
さっき結婚式を終えた私たちは、片付けを終えて、
悟に言われるがまま遠くの海に来ていた。
波の音。
波打ち際、靴を脱いで悟と歩く。
「……結婚式って、いいね」
『……うん』
悟との結婚式は
私の心から溢れちゃうくらいの幸せで満ちていて。
『硝子、いっぱい泣いてたね』
「うん。傑も泣いてた」
『ふふっ、幸せだね』
「Aのおかげ」
『悟のおかげだよ』
悟がいなかったら私は、ずっとひとりのままだった。
悟の指が私の指と絡まる。
「A、ありがとう」
『っ、……ううん。悟が、私のこと探してくれたから』
「んーん。俺から逃げるのを諦めてくれてありがとう」
前を歩いていた悟は立ち止まった。
振り返って私を見るその目は
月明かりに照らされて透き通っている。
「……もう、死んでも離さない」
『うん。私も』
「ちゃんと言って」
ぎゅ、と私の手を握る悟の手の力が強くなる。
『……悟のこと死んでも離さな……っ、!』
手を引かれて
悟の胸にトン、と頭がぶつかる。
「ありがとう。愛してる」
『私の方が悟のこと愛してる』
手を繋いだまま、私たちはキスをした。
月明かりの下。
もう二度と、この手を離さないと誓って。
end.
.
487人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆかり(プロフ) - このまま結婚して、子供産まれるまで書いて頂くことは可能でしょうか? (11月21日 22時) (レス) @page33 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 少々遅れましたが、完結おめでとうございます!前世で幸せになれなかった二人が来世では幸せに生きていけると分かったときには涙が止まりませんでした。これからの二人の幸せをずっと願っています。 (11月21日 1時) (レス) id: 26843e8005 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - 夢主ちゃんと五条、、ずっと二人で幸せに過ごしてくれ、、!!完結おめでとうございます!!! (11月19日 21時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)
にゃにゃにゃ(プロフ) - 涙腺崩壊しました。ずっとずっと幸せを祈ってます! (11月19日 17時) (レス) @page29 id: 33d0eba731 (このIDを非表示/違反報告)
あひゃひゃひゃしゃしゃ - 神すぎますた (11月19日 16時) (レス) @page29 id: 540adac644 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ハルカ | 作成日時:2023年11月16日 15時