手を、2【五条悟】

77 ページ27

.




〜五条 side〜

『行ってらっしゃい』

「行ってきます」




Aが目を覚ましてから数ヶ月が経った。


念の為の検査とリハビリ。

それから傑のところで元の暮らしを経て



俺とAは一緒に暮らすことになった。




Aのいる毎日はそれはそれは幸せ。


朝起きたらAがいて、
こうして見送ってくれて

帰ってきたらAが出迎えてくれて
寝るときもAがいる。



それから、前みたいに4人で集まることも増えた。

硝子とは同じマンションだし
傑のマンションもそう遠くないから、よく誰かしらの家に集まってはご飯を食べている。



Aの頭痛は無くなりはしないものの
頻度は減って、痛みも前ほどは無いらしい。




あーはやくAに会いたい。




「五条ー顔緩みすぎ」

「いいんですー。あ、僕回診の時間なんで」

「婚約したからって浮かれてんじゃねーぞ」

「分かってますって」




デスクから立って病室に向かった。


そして午後の手術も終えて
定時。


病院を出て家に帰った。




「ただいまー」

『おかえり』

「Aー今日も疲れたよー」

『お疲れさま』




リビングに行くとAが待っていたからその体を抱きしめる。


そのまま身をかがめてAにキスを落とした。

可愛い。今日も可愛い。朝も可愛かったけど夜も可愛い。




『夜ご飯、できてるよ？』

「食べたいけどその前にAのこと食べたい」

『なにその言い方。おじさんクサイ』

「おじさんだし」

『認めるんだ』

「Aの方が年下だもん」

『たしかにそうだね。
あ、時間あったからカップケーキ焼いたの。ご飯のあと食べて』

「えーもう好き。大好き。愛してる」

『んふふ、私も愛してる』




.

最終話→←76

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す