手を、2【五条悟】

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〜五条 side〜

12月7日。

俺の誕生日。



俺は休みを取ったので病院に来ていた。

もちろんAに会いにね。



病室に入ると、今日は誰もいなかった。

大体いつもは傑がいるのに。


気使ってくれたのかな。



2人だけの病室。


俺はAの隣に座った。




「A、俺誕生日だよ。31歳になったよ」




おめでとう

って言ってくれないんだね。


まぁ2回目だし？ 慣れてるし？


でも




「……誕生日プレゼントもらいに来たんだ」




俺は持ってきた紙袋から小さな箱を取り出した。


その中の銀色に光るそれを
Aの左手の薬指にはめる。




「A、Aのこれからの人生全部俺にちょうだい」

「無言は肯定だからね」

「……」

「よっし！ 婚約ね！」




本気だよ。

本気でAと、一生一緒にいたいから。




「……ねーAーはやく起きてよ」

「式場俺が勝手に決めるよ？」

「あ、和風と洋風両方する？」




前世でできなかったんだし2回してもいいでしょ。


お色直しは……どうしようね。何回しようね

誰呼ぼうね。




「A、楽しみだね」




これからの人生、たくさん色んなことできるよ




A、はやく目覚まして

笑ってよ

俺の名前呼んでよ




「……っ、」




ダメだ。泣いちゃダメ。


Aが起きたら、笑っておかえりって言うんだ。


俺ちゃんと待ってたよ

前世と違うよ、って言うんだ。




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