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〜五条 side〜

ガラガラと扉が開いた。

振り返ると、




「硝子……」

「よ。なんだこの空気。辛気臭すぎるだろ」




手をヒラヒラ振る硝子が。


重い俺たちの空気にそぐわない明るい声でそう言う。




そのまま硝子は俺の隣に椅子を持ってきて座った。




「Aのこと、聞いたよ。私の指導医だった先生がAの手術立ち会ったから」

「……A、本当に目を覚まさないの?」

「A次第だって執刀医は言ってたらしい」

「そう……」




A、起きてよ

俺と結婚して、色んなところ行って、前世でできなかったことたくさんしたいよ



俺はAの顔を見つめる。

頭に包帯が巻かれていて
目を覚まさないAを。




だけど、


突然バン!と背中を叩かれて
俺は後ろを振り返った。

硝子が、俺の背中を強く叩いたみたい。




「五条、お前がAのことちゃんと待つんだよ」

「……」

「ここでお前が諦めたら前世の二の舞だぞ。信じて待て」




そうだ

そうだよね。


俺がAを待たないと。



すぐそばにあるAの手を握る。


待ってる。ずっと、何があっても。




「てかAのカルテ見た? A今年で26歳らしいよ」




硝子、多分この空気に耐えかねてわざと話振ったんだろうな。

また明るい声でそう話す。


でもありがたい。ずーっと暗いこと考えてもしんどいだけだから。




「え、そうなの? てことは傑も?」

「そうだけど……2人は逆に何歳なの?」

「30」

「今年31」

「えーまぁ悟は童顔だし硝子は綺麗だしそんな感じしないな」

「ははっ相変わらずクズ」

「本心さ」




やば、懐かしすぎる


馬鹿言って、ケラケラ3人で笑って、

あとはAがそれをニコニコして見ててくれたらまんま高専時代なんだけどなぁ




「A、また来るよ〜」

「私も暇な時間こよーっと」




傑はまだ残るらしく、昼休憩が終わる俺と硝子が先に病室を出た。




「懐かしいね」

「うん、あの頃に戻ったみたい」

「五条が大好きな高専時代ね」

「……馬鹿にしてる?」

「んや?(笑)」

「してるよね」

「してる」

「おい!!」




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設定タグ:呪術廻戦 , 五条悟 , さしす組   
作品ジャンル:恋愛
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ゆかり(プロフ) - このまま結婚して、子供産まれるまで書いて頂くことは可能でしょうか? (11月21日 22時) (レス) @page33 id: a64b7436ba (このIDを非表示/違反報告)
ああ - 少々遅れましたが、完結おめでとうございます!前世で幸せになれなかった二人が来世では幸せに生きていけると分かったときには涙が止まりませんでした。これからの二人の幸せをずっと願っています。 (11月21日 1時) (レス) id: 26843e8005 (このIDを非表示/違反報告)
白うさ - 夢主ちゃんと五条、、ずっと二人で幸せに過ごしてくれ、、!!完結おめでとうございます!!! (11月19日 21時) (レス) id: 733585db8f (このIDを非表示/違反報告)
にゃにゃにゃ(プロフ) - 涙腺崩壊しました。ずっとずっと幸せを祈ってます! (11月19日 17時) (レス) @page29 id: 33d0eba731 (このIDを非表示/違反報告)
あひゃひゃひゃしゃしゃ - 神すぎますた (11月19日 16時) (レス) @page29 id: 540adac644 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハルカ | 作成日時:2023年11月16日 15時

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