手を、2【五条悟】

66 ページ16

.




〜貴方 side〜

悟、高専時代の口調と先生になってからの口調が混ざってて不思議な感じがする。


悟と一緒に朝ご飯を作って食べる


こんな風になるなんて少し前の私は思いもしなかったな。



ご飯を食べながら、今度は悟が生まれてから今までの話をしてくれた。

悟も大学時代に硝子と再会したんだって。

それからずっと一緒って。



今度4人で集まりたいね

休みが取れたら、沖縄と北海道行きたいね



って朝日で明るい部屋で話すから

すごく幸せ。




「A、傑のとこじゃなくてここに住んでよ」

『え？』




悟はお味噌汁を飲みながら何の気なしに言った。

あまりにもサラっと言うから数秒フリーズしてしまう。




「え、ってなに、嫌なの？」

『嫌じゃ……ない。でも私、体調……』

「……あー……」




そっか、そうだよね、
いつでもそばにいてくれる傑の方がいっか

と悟は言う。


悟はお医者さんで忙しい。

夏油くんみたいにすぐ休める職業じゃない。




『ごめん』

「ううん。俺こそ急かすようなこと言ってごめん」

『……でも、っ、いつかは、悟と一緒に、暮らしたい……です』

「……」




何かが頭に触れて私は顔を上げた。

何か、って言うのは悟の長い腕。




「ほーーんとに可愛い」

『……っ』

「好き」

『……んぅ』

「ははっ、なんだよその声」




悟が優しい声で言うから、顔が熱くなる。




.

67→←65

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す