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〜貴方 side〜

始業式を終えて教室に戻ってきて、清掃、業務連絡、提出物の確認。


お昼前には帰りのHRが終わった。


さっきの徹との出来事はもう既に学年中に広まっているらしい。

及川くんとどういう関係なの? と色んな女の子に言われた。


まあ……だよね。

あんなかっこいい人が急に現れた転校生と親しげにしてたら気にもなる。



でもその度に前の席のはじめが何かと話を変えてくれたお陰で助かった。


今日ははじめに助けられてばっかり。



でもそんな好意も秒で無駄になる。




「Aお昼食べよ」




帰りのHRが終わってクラスの人と話してたら、突然降ってきた徹の声。


話題の人物登場に周りの人たちがワッと声を上げた。


ニコニコと作り笑いを貼り付けている徹を見上げて
うわ、まずい予感。と秒で察したのも束の間。




「ごめんね。この子俺の彼女だから男どもは退散して」

「えっ!!」

「やっぱり!!!!」

「やば大ニュース!!」




呆気なく。バレた。


今日1番と言える盛り上がりを見せる教室。



及川に彼女ができたーー!!!

と廊下で叫んでいる男子の声が聞こえて
あー徹ってほんとに人気者なんだなと他人事みたいに思っちゃった。




「テメェよくも……」

「いいじゃん事実だし。てかどうせそのうちバレるよ」

「及川がベタベタすっからだろ」

「うん。公の場でベタベタしたいから先に言っとくの」

「……Aこんな奴とはやく別れろ」

「ひっど! なんてこと言うの!」




周りにいた子たちはそっと私たちから距離を取って、
やがて教室の隅は私たち3人だけになった。


徹は当然のように私の机と隣の机をくっつけてその席に座った。




「Aお弁当持ってきたよね?」

『うん』

「1時から部活だから」

『うん』




まるで来るのが当然のように徹は言う。

まあ行くんだけど。


前に座るはじめは後ろを向いて私の机の上でお弁当を広げた。

隣の徹も。


私もバッグからお弁当を取り出す。




「お前先生に呼ばれてたべや」

『あそうだった。お弁当食べたら行くよ』

「じゃあ送ってく」

『え、いいよ……』

「やだ。行く。ね、岩ちゃん」

「ん。迷子になられても困るしな」

『えぇ……』




ふたりは私のことなんだと思ってるの……

と思わずため息が出た。




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設定タグ:ハイキュー!! , 及川徹 , 岩泉一   
作品ジャンル:恋愛
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メルン - 文才凄すぎて羨ましいです!!続き楽しみに待ってます!!応援してます💪 (2月25日 16時) (レス) @page22 id: b9ee1d4dd6 (このIDを非表示/違反報告)
ウォン(プロフ) - 新作楽しみにしてました!応援しています! (2月25日 2時) (レス) id: 120d94ae6d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハルカ | 作成日時:2024年2月23日 16時

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