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〜貴方 side〜
地獄の(？)合宿が終わり、数日ぶりに家に帰ってきた。
……のはいいんだけど。
『……とーるー』
「……なに」
『重いんだけど』
今日も今日とて私の家に人がいないのをいいことに入り浸る徹。
が、なぜか帰宅してから1ミリも離れてくれない。
移動するのも手を洗うのも何をするにも徹が私のことを後ろから抱きしめてきて離れない。
『お風呂入ろうよ』
「一緒に？」
『別々だけど』
「……やだぁ」
やだぁ、って……
うーん……
まあ原因は心当たりがある。
黒尾のこと、だろうな。
ぐり、と
徹が頭を私の首に押し付けてきた。
相当堪えてる、な、
『……やっぱ一緒に入ろっか』
「え、いいの？」
徹のこと、悲しませたくないし
こんな気持ちにさせたのは私だから。
徹を背負ったまま洗面所に行き服を脱いだ。
「……足、痛くない？」
『今はもう大丈夫だよ』
「……そっか」
後ろから徹に抱きしめられるように湯船に浸かる。
徹の手は私の右膝を優しく撫でた。
手術跡が残る、綺麗じゃない膝。
『徹』
「……ん」
『黒尾のこと、ごめんね』
「…………んぅ」
徹の手が膝から離れてお腹に回って
ぎゅうって痛いくらい強く抱きしめられた。
「……考えないようにしてたけどやっぱ、俺が知らない2年があるの嫌だ。俺が知らないのに黒尾くんが知ってるのはもっと嫌だ」
『……ごめん』
「……Aはいなくならないし……どっか行っちゃってもこうやって変わらず戻ってきてくれるのは分かってる、けど、やっぱ俺嫌だよ」
『……ごめんね徹』
2年。
それがどれだけ大きな空白で
徹のことを不安にしたのか
今更後悔してしまう。
虫が良すぎる話だ。
勝手に東京に行って、連絡も取れないようにしたのは私なのに。
徹、と名前を呼んで手を叩くと少し力を緩めてくれた。
私はくるりと向きを変えて向かい合うように徹の太ももに座る。
今にも泣き出しそうな徹の目。
ああ、やだ。
自分が嫌になる。
大好きな人をこんなに悲しませて。
『……本当にごめんね』
「……違う」
『……大好きだよ、徹。
徹のことしか見てない』
「……ん」
ちゃぷ、と音がしたかと思えば徹が私を抱きしめた。
素肌と素肌の間には何も無い。
徹の拍動が分かる。
「Aが浮気したら俺死ぬからね」
『……ん。絶対しない』
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メルン - 文才凄すぎて羨ましいです!!続き楽しみに待ってます!!応援してます💪 (2月25日 16時) (
レス) @page22 id: b9ee1d4dd6 (このIDを非表示/違反報告)
ウォン(プロフ) - 新作楽しみにしてました！応援しています！ (2月25日 2時) (レス) id: 120d94ae6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルカ | 作成日時：2024年2月23日 16時
