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〜及川 side〜

ぼーーっとする。

始業式の校長の話なんてまあ聞くわけがないんだけど
今日はいつも以上に聞く気がない。


背高くてよかった。

隣のクラスの列のちょっと前にAがいるのが見えるから。



夢じゃないんだ。



Aが、青城に来たんだ。





江崎A。


俺と岩ちゃんの幼なじみ。

あ、あと俺の彼女。

世界で一番大好きな人。



幼稚園から小学校、中学校もずっと一緒で
高校も当然同じだと思ってた。



思ってたのに。




「えっ、A……?」




高校に入る前の春休み、Aの家に行こうとしたら様子がおかしかった。

外には車も自転車も、Aが好きな風鈴もなくて。

てかそもそも人がいる雰囲気じゃない。



インターホンを押しても、何度押しても誰も出てこない。


え、なに、出かけてんの?


混乱しながらAに電話をかけてもメールをしても返ってこなくて

お母ちゃんに聞いても知らないの一点張り。
岩ちゃんも何も知らない。出かけてるだけだべ。なんて言ってたけど


俺の嫌な予感は的中した。



青城の入学式にAはいなかった。


クラス表を何度見ても江崎Aの名前は無くて
そこで岩ちゃんも顔を青くした。



隣の家はもぬけの殻。いつまでも。




Aは高校に入る前の春、突然俺らの前から消えたんだ。




少ししてお母ちゃんから
Aの両親が離婚してAは東京に引っ越したと聞いた。



絶望、



俺のはんぶんみたいな存在のAがいない。


何をモチベーションにバレーをすればいいのか分からなくなって数日は荒れたっけ。



連絡先も家も何もかも分からない。

文字通り音信不通になったけど、全国に行ったらAに会えるかもしれない。

そう思ってなんとかバレーに打ち込んだ。



俺のはんぶん。



そんな存在のAが、今は手の届くところにいる。




俺Aが教室に来たときよく泣かなかったなぁ


漠然とそう思っていると、いつの間にか始業式は終わっていた。




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作品ジャンル:恋愛
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メルン - 文才凄すぎて羨ましいです!!続き楽しみに待ってます!!応援してます💪 (2月25日 16時) (レス) @page22 id: b9ee1d4dd6 (このIDを非表示/違反報告)
ウォン(プロフ) - 新作楽しみにしてました!応援しています! (2月25日 2時) (レス) id: 120d94ae6d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハルカ | 作成日時:2024年2月23日 16時

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