俺のはんぶん【及川徹】

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〜花巻 side〜

夜、最後に試合形式の練習をしていたら
「あ、」と同じチームの及川がどこかを見てそう零して。

つられるように俺もその視線を追うと


江崎がいた。



江崎は及川の視線に気づくと
『集中して』と口を動かし、記録を取っていた1年の元へ。




「大丈夫そうじゃん」

及「あーよかった……っし、岩ちゃん俺に寄越せ！！」

岩「おー次狙ってやんよ！！」




ちょっとだけひしゃげてた及川岩泉が本領発揮し出した。

敵チーム同士だからバチバチに張り合って




及「へっ！ ショボスパイク！」

岩「てめーのさっきの横っ跳びブロックのがだせーわ！」




……ウン。通常運転。


結果はなんとか俺たちのチームの勝ちだったけど
勝敗とかはどうでもよかったみたい。

試合が終わると同時に及川岩泉は江崎の元へ駆け寄って何か話していた。



そして少しして、及川が振り返る。




「みんな今日の練習終わり！ ストレッチして〜」

「「うぃーす」」




3人の様子を気にしつつもストレッチをして片付けをして。


あ、江崎岩泉に怒られてら。珍し。



つかなんで江崎あんなに痛がったんだろ。

まあでもそれ聞いたら3人の地雷ぶち抜く気しかしないから聞かないけど。



変な関係、つか
アンバランスで危なげな関係だな。



なんか、視線だけでやり取りできるくらいお互いのことを知り尽くしてるのに

そこに誰かが、何かが、3人にとっての不純物が混じったら

全部崩れちまいそう。


表面張力でなんとか溢れないでいる水みたいな感じ。



3人は3人だから成り立ってるんだろうな。


なんて横目に見ながらぼんやりと思った。




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