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〜及川 side〜
倒れているAを見ると
血の気が引く。
俺の腕の中にいるAは、振動すらも痛むのか目を強く閉じて俺の服を掴む。
「……なんで前見てなかったの」
『……ごめん記録見てて』
「……ばか」
『ごめん』
寝泊まりしていた女子部屋に着き、Aを布団に寝かせた。
狭くて整頓された部屋。
「痛み止めどこ？」
『……リュックの中の白いポーチ』
「ん」
言われた通りAのリュックを開けてその中から白いポーチを見つけ出す。
開けると何錠も薬が入っていて。
その中から痛み止めを2錠取り出してAに飲ませた。
「痛む？」
『……ん、少し』
「病院……」
『大丈夫だよ。寝てたら治る』
「……」
ふう。とAは息をひとつ吐いて目を閉じた。
『練習中なのにごめんね』
「んーん」
『もう戻っていいよ。徹いないとみんな心配するでしょ』
「……ん。痛み酷くなったらすぐ連絡して。すぐには出れないかもしれないけど……」
『ありがとう』
このまま本当はここにいたいけど、Aに怒られそうなのでやめた。
部屋を出て体育館へ向かう。
多分みんなに詰められるんだろうなぁ
Aは大丈夫なのか
なんであんなに痛がってたのか
どうして戻って来ないのか
歩けないほど酷いのか
ってね。
Aとの約束だから黙ってるつもりだけど
いつまでそれが貫き通せるかな。
やっと落ち着いた心臓に手を当てて、体育館に踏み入る。
「ごめーん」
「及川さん！ 江崎さんはっ！」
真っ先に駆け寄ってきたのは1年。
多分コイツがボール転がしたんだろうな。
顔を青くしてAのことを聞いてくる。
「大丈夫だよ。でも休憩中にボールで遊ぶの禁止ね」
「はい……すみませんでした！」
「まあ前見てなかったAも悪い。そんだけ。さ、練習戻った戻った」
「は、はい！」
俺はナチュラルに練習に戻る。
案外誰もAについて聞いてくることはなくて。
岩「Aは」
「痛み止め飲ませた」
岩「そうか。みんな心配してたぞ」
「……そう」
岩ちゃんの言葉から察するに、詰められたのは岩ちゃんなんだろうな。
でも、何も言ってない
Aが隠したいことは隠した
ってのが雰囲気で分かる。
ありがと岩ちゃん
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メルン - 文才凄すぎて羨ましいです!!続き楽しみに待ってます!!応援してます💪 (2月25日 16時) (
レス) @page22 id: b9ee1d4dd6 (このIDを非表示/違反報告)
ウォン(プロフ) - 新作楽しみにしてました！応援しています！ (2月25日 2時) (レス) id: 120d94ae6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハルカ | 作成日時：2024年2月23日 16時
