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〜岩泉 side〜

その存在を確認するように。

手入れされた指が、Aの手の甲、腕、肩、頬に触れた。



そこで多分、6組の奴らは及川の様子に驚いたんだろうな。

何も言わずに見ているか
空気を読んで自分の席に座るか。

ほんの少しだけ静かになった。




『徹』

「っ、」




Aは及川の名前を呼んで、頬に触れていた及川の手を取った。

ぎゅっと握ると
及川の目には涙が溜まっていく。




「……こんっの、バカちんが!!」

『……ごめん』




ごめん、徹、本当にごめんなさい
とAは繰り返した。

悔しそうに、申し訳なさそうに、苦しそうに。




「……許す」

『っ、ありがとう、徹』

「マネージャーになってくれたらね」

『……そんなの一択じゃん』

「逆にならない予定なの?」

『……やらせて。そのために戻ってきたんだから』




Aは俺の方を見た。




『はじめもごめん』

「もういいわ。でも後でちゃんと説明しろよ」

『うん』




及川は繋いだままの手を自分の頬に擦り寄せた。

が、Aが手を引っこ抜いたせいですぐに離れる。


普通身内同然の幼なじみのこういう現場に居合わせたら気まずいんだろうけど
俺の場合もう慣れちまった。ずっとこんな感じだからな。




『学校です』

「分かってるけど今まで触らせてくれなかったのはAです」

『後でゆっくり話そ。始業式始まるし。帰ろはじめ』

「おう。じゃーな及川」

「……岩ちゃんずるい!」




ちょっと勝ち誇った気分。

わーぎゃー言ってる及川を無視してAと教室に戻った。



後で聞いたら及川は俺らが教室に戻ってからめちゃくちゃクラスメイトに詰められたらしい。


あの美女誰!?
つか付き合ってんの!?
どういう関係!?

って。




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設定タグ:ハイキュー!! , 及川徹 , 岩泉一   
作品ジャンル:恋愛
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メルン - 文才凄すぎて羨ましいです!!続き楽しみに待ってます!!応援してます💪 (2月25日 16時) (レス) @page22 id: b9ee1d4dd6 (このIDを非表示/違反報告)
ウォン(プロフ) - 新作楽しみにしてました!応援しています! (2月25日 2時) (レス) id: 120d94ae6d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハルカ | 作成日時:2024年2月23日 16時

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