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〜貴方 side〜
私がしたいこと、行きたいところをいつも優先してくれて
エスカレーターではさり気なく私の後ろに立ってくれて
カフェでソファー側が私。徹は椅子。
メニューを当然のように私の方に向けてくれる。
食べきれなくても大丈夫だから頼みなって言ってくれる。
徹の行動ってどれをとっても優しくて、温かい。
『……徹ってほんとに優しいよね』
「えーそう? 普通でしょ」
『優しい。ありがとう』
照れくさいけど、そう言ったら徹は目を丸くする。
でもすぐにメニューに視線を落として
ちょっと拗ねたように言った。
「……ソレって誰と比べてるんですかぁ」
『……えっ、違う。そういうんじゃない!』
私には、徹の他に比べる相手なんていないのに誤解させたかも……
って慌てて言ったら
「んふふっ、分かってるって。ごめん意地悪した」
徹はメニューから顔を上げてそう笑った。
……あーやだやだ。
勝てない。徹の手のひらでコロコロ転がされてる。
なんて考えている間に徹が注文済ませてくれて。
そういうところも。
『はあー……』
「なに」
『ううん。好きだなって』
「俺が?」
『うん』
「ふへへ」
へにゃへにゃに笑ってテーブルの上に置いていた私の手を取る徹。
「可愛いねえ」
『……』
「無視!?」
『……馬鹿だと思われるからやめてよ』
「最初に言ってきたのはAじゃん」
『……』
そ、うだ。
はあ〜……
周りに人いるのに変なこと言っちゃった。
絶対バカップルだよ、とか思われた……
外だからやめてっていつも言ってるのは私の方なのに。
徹がかっこよくて周り見えなくなってる。
気をつけないと。
とか言いつつテーブルの上で繋がれた手を振り払えないんだよなぁ……
これみよがしに繋ぎ方変えてきたり
私の手の甲なぞってきたり。
あ、徹の指ささくれできてる。
ハンドクリーム後で買いに行こう
なんて考えてたらパフェと、徹が頼んだパンケーキが運ばれてきた。
あと何も言ってないのに私が好きなアイスティー。
と、徹のオレンジジュース。
「さ! 食うべ食うべ!」
徹は何事も無かったかのように私にパフェスプーンを渡した。
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メルン - 文才凄すぎて羨ましいです!!続き楽しみに待ってます!!応援してます💪 (2月25日 16時) (レス) @page22 id: b9ee1d4dd6 (このIDを非表示/違反報告)
ウォン(プロフ) - 新作楽しみにしてました!応援しています! (2月25日 2時) (レス) id: 120d94ae6d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハルカ | 作成日時:2024年2月23日 16時