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〜岩泉 side〜

全てが順調に進んでいたある日。

烏野との練習試合が決まったと監督から連絡があった。


烏野と言えばあの影山が行ったところだ。


チラッと及川の方を見ると
いつもはヘラヘラしてるのに今は硬い表情。



嫌な予感はしていた。




及「はいそんじゃ練習戻るよ!」




平静を、いつも通りを装ってるつもりだろうけど
俺とAは分かる。

影山と試合するというのが及川にとってどれだけ嫌なことか。

天才セッターを前に、自分たちは歯が立つのか。
及川はそのことを誰よりも気負う。




『……はじめ』

「ん。分かってる」




練習試合は1週間後。

それまでちゃんと及川を監視して、抱え込まないように、オーバーワークにならないようにしねえと。


……って、分かってたのに。




『徹』

及「ん? どした?」

『足診せて』

及「なんで? なにもしてないよ」

『なにもしてないなら診せれるよね』

及「……」




それはその翌日のことだった。

……やった、のか……?




花「なに、及川どした?」

「……足やったかもしんねぇ」

花「えまじ?」




遠くから及川とAのことを見ていたら
ヒョイと花巻がやってきた。


視線の先の及川はバツが悪そうに俯いている。




『昼休み練習した?』

及「……した」

『そのとき?』

及「……うん」




……俺は気づかなかった。

でも及川は、今日の昼休み誰にも言わずひとりで練習して
そのときに足を痛めた、らしい。


ほんとにAには敵わねえわ。




『病院』

及「……」

『じゃないと練習試合出さないけど』

及「……分かったよ」

『うん』


花「……江崎こっわっ」




一連のやり取りを見ていた花巻がそう漏らす。


幸いなことに他の奴らは練習していて気づいていない。
もしくはいつも通りメニューの話してんのかな、くらいにしか思われないだろうな。

チラ、とAが俺の方を見た。


それに俺は頷いて返す。




花「えなんて?」

「及川のこと病院に連れてくから適当な言い訳と練習よろしく、だと」

花「えっこわっ。お前も怖っ」




及川とAは静かに俺ら以外に気が付かれることなく体育館を後にした。


監督もコーチもいないしあとで連絡入れとくか……




「花巻も練習戻れ」

花「あいあい」




及川の怪我、大したことないといいけどな……




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設定タグ:ハイキュー!! , 及川徹 , 岩泉一   
作品ジャンル:恋愛
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メルン - 文才凄すぎて羨ましいです!!続き楽しみに待ってます!!応援してます💪 (2月25日 16時) (レス) @page22 id: b9ee1d4dd6 (このIDを非表示/違反報告)
ウォン(プロフ) - 新作楽しみにしてました!応援しています! (2月25日 2時) (レス) id: 120d94ae6d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハルカ | 作成日時:2024年2月23日 16時

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