俺のはんぶん【及川徹】

13 ページ13

.




〜松川 side〜

分かったことがある。


江崎はクールで、それでいてちょっと天然なのか堂々と人前で及川とイチャイチャする。

いや及川が人前でイチャつくのはアレじゃん。
100%見せつけじゃん。

でも江崎は違うっつーか……




『ねーなんでそこにつくわけ？』

及「えっなに？」

『ソースついてるよ。あざといなぁ』




そう言うと江崎は及川の口の横についたハンバーガーのソースを指で拭って
その指を舐めた。


ん、美味しい。だって。


いやいやいや……

つかあざとくもねぇし。普通に馬鹿なだけだろ。




及「俺だったら口で取ってたけど」

『やらないよ』

花「いや俺ら何を見せつけられてんの？
なんで岩泉はこれを前にして普通に食ってんの？」

岩「考えたら負けなんだよコイツらのことは」

及「ん！ Aちゃんカリカリのポテトあるよ。あーん」

『んー』




……ああ
部活のときすごかったから江崎は常識人枠だと思った俺へ。

ナチュラルにイチャつくただの及川大好きっ子だよ。




『ん！ そういえばゴールデンウィーク合宿するって聞いたけど！』




……そんでもってとんでもないバレー馬鹿だわ。


及川と話してるときより目キラキラさせる江崎。

よっぽど部活が好きなんだな。




及「ゴールデンウィークぜーんぶ合宿です」

『全部！？ 最高じゃん！ 徹あとで練習メニュー考えよ！』

及「あったりまえじゃない」

岩「……お前らゲロは覚悟しとけよ……」

「えっそんなキツい？」

岩「俺は多分吐く」

花「そんなん全員吐くじゃん」

『頑張ろうね！！！』




ウッ……
江崎、顔面強いから一点の曇りもない笑顔普通に殺傷能力高い。

言ってること鬼なのに「かわい……」で許しそうになる。あぶねえ。




及「まっつん？」

「……ごめん」

及「やめてね」

「……もうやだこのバカップル」




及川の笑顔の圧。

なんのセンサーがついてんだよ。他人が江崎のこと可愛いって思ったら警報が鳴るシステム搭載してんのか？


この顔面つよつよバレーバカカップルと過ごす最後の高校生活1年。



……めっちゃ濃くなりそう……




.

14→←12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す