9.桜と先輩と-セカンド- ページ10
.
中庭に出ると、柔らかな陽射しが私達を照らす。眩しいですね、なんて言いながら 私の後を着いてきているそらる先輩の方へと視線をやると 眠くなる…とうとうとしながら その場に立ち竦んでいて。
か、可愛い…!!太陽に照らされてポカポカを身に染みて感じているそらる先輩まじ可愛い！このまま寝てしまって寝顔見るのもこれまた乙なものがあると思う！一眼レフ買ってこなきゃ！
そんなことを思いながらも、そらる先輩にここで寝られたら 学校の生徒みんなにそらる先輩の寝顔が見られてしまうという最悪な事実に気付き 先程の思考は振り払うことにした。さようなら私のそらる先輩の寝顔。
中庭は、一応ご飯が食べれるようにベンチやテーブルなどが置いてあるのだが 生徒はほぼ食堂か購買、もしくは教室でご飯を食べていることが多い為 人はまばらどころか私達しかいなかった。
そらる先輩に 二人っきりですね、なんて言おうとして 口を噤む。そして、その代わりの言葉を放つ。
｢ ………で、なんで まふ先輩はここに居るんですか？寂しがり屋？ ｣
｢ ちょっと何言ってるか分からないです ｣
｢ いや私にはまふ先輩の行動が1番わかんないんですけど！ ｣
｢ えっ…Aちゃんに言われるとか今世紀最大の失態な気がする ｣
｢ 私のことなんだと思ってんですか！？ ｣
そう。そうなのだ。“二人っきり”の予定だったこのお花見ランチに何故か予定外のまふ先輩が加わっているのである。
そらる先輩がお弁当を持ってくる、と言って教室内に戻り ワクワクしながら教室の外で待っていると 出てきたそらる先輩は片手にお弁当もう片方にまふ先輩を連れて出てきたのだ。…もしかしてまふ先輩はそらる先輩のお弁当なのかな？無機物？なるほどそれなら私とそらる先輩は二人きりと言っても過言ではないしもはやそれは真実でしかないね！
｢ そらる先輩と二人きりで桜見ながらお弁当食べれるとか死ぬほど幸せです！！！ ｣
｢ 僕のこと存在無視し始めた！？ ｣
｢ お弁当は黙っててください ｣
｢ お弁当ってどういうことですか！！！ ｣
｢ まふ、うるさい…目立つからやめて ｣
｢ やーい、怒られてやんの〜 ｣
｢ Aちゃん後輩ですよね？先輩のことなめすぎじゃないですか？ ｣
怒るまふ先輩を優しさの塊そらる先輩が宥め、私たちはやっと3人並んでベンチに腰掛ける。あと数センチで触れてしまいそうな肩にドキドキしながら私は桜を見上げた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 126人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ゆきか - ストーリーの内容ものすごく好みです！更新待ってます！ (2019年10月10日 23時) (
レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - わっふるくりーむさん» ヤギの罪が重すぎですね… 感想ありがとうございます、やる気が満ち溢れるマン (2018年11月25日 2時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - 彩都さん» ありがとうございます！ゆっくりですが、これからも頑張りますので よろしくお願いします！ (2018年11月25日 2時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
わっふるくりーむ(プロフ) - ごめん私の語彙力もヤギに食べられたわ（天を仰ぐ）ありがとうございます… (2018年11月24日 11時) (レス) id: f1fb733784 (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - やばい！大好きすぎる！更新お疲れ様です！ (2018年11月24日 10時) (レス) id: 16d9298981 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
