8 .散り行く花と大きな弁当 ページ9
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慌てて走らないこと、を約束した為落ち着いて教室に戻ったあの時。そらる先輩の言うことは絶対だし、慌てて走ることはやめた。慌てて走ること、は。
ということで、私はあの日から慌てずにそらる先輩に向かって走る日々を過ごしていた。今日も今日とてダダダダ、と爽快な足音を響かせながら廊下を駆け抜ける。
始業式から数日が過ぎ、桜がひらひらと舞い落ち始また頃。私は あることを忘れていたのを思い出して、こうしてそらる先輩に向かって走っていた。まぁ、何を 思い出してなくても走ってるんですけどね！
先輩のいる教室のドアをそっとノックして、勢いよく開ける。先輩達のまた此奴か、なんて視線をめちゃくちゃに受けながらそらる先輩！と大好きな人の名前を呼ぶ。
授業終わりのまま眠っていたのか、教科書を盾のようにしていた先輩はその教科書を閉じながら 眠そうな目で んん？とこちらを見る。
｢ か、可愛い…!! ｣
｢ あぁ、宮林か… ｣
そう呟くといつも以上にスローペースで歩いてきた先輩は、ドアに寄り掛かりながら どうしたの？と相変わらず眠たげな表情で私に問う。あーもう好き。目擦ってるの可愛すぎるし、この眠そうな中こっちまで来てくれたっていう事実が好き！
目の前の先輩に対しそんな事を思いながら、私は手に持っていたいつもより大きなお弁当を持ち上げて ふふん、と笑ってみせる。
｢ お花見、しましょうよ ｣
｢ …お花見？ ｣
私の奇抜な発言に 少し目が覚めたのか、ちょっと目を見開いて 首を傾げる先輩。眠気から覚めたような先輩に、覚えてますかね？とつい数日前のことを話題に出す。
｢ そらる先輩がめちゃくちゃ桜が似合ってて、それを見た私がお花見に行こうって言ってたヤツです ｣
｢ …あー、なんかそんなよくわかんないことも言ってた気がする ｣
ぼう、と物思いに耽ったかと思えばそんな冷たいことを放つ先輩に少しだけキュンキュンしながら( 決してMではない )、ということでどうですかね？と念を押すように言ってみると、私越しに窓の向こうを見た先輩は まぁ、と。
｢ 桜ももう見納めだし、行てみよっか ｣
｢ 先輩…!! ｣
｢ 弁当、持ってくるから待ってて ｣
｢ …はい ｣
手作りお弁当を食べてもらう、というのはちょっと失敗してしまったが こうして無事、そらる先輩とお花見デートを取り付けたのである。
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ゆきか - ストーリーの内容ものすごく好みです！更新待ってます！ (2019年10月10日 23時) (
レス) id: f42ad21887 (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - わっふるくりーむさん» ヤギの罪が重すぎですね… 感想ありがとうございます、やる気が満ち溢れるマン (2018年11月25日 2時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
零生(プロフ) - 彩都さん» ありがとうございます！ゆっくりですが、これからも頑張りますので よろしくお願いします！ (2018年11月25日 2時) (レス) id: c45c7990b9 (このIDを非表示/違反報告)
わっふるくりーむ(プロフ) - ごめん私の語彙力もヤギに食べられたわ（天を仰ぐ）ありがとうございます… (2018年11月24日 11時) (レス) id: f1fb733784 (このIDを非表示/違反報告)
彩都(プロフ) - やばい！大好きすぎる！更新お疲れ様です！ (2018年11月24日 10時) (レス) id: 16d9298981 (このIDを非表示/違反報告)
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