彼女はもともとⅢ (ページ23)

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合いページ23

ちちち、と小鳥のなく声がする。
ベッドからそちらを見ると小さい小鳥が窓の縁に止まっていた。

部屋には誰もいなくて、かと言って動くことも許されてないからモゾモゾと布団をまたかぶった。

コンコンと控えめにノックがされて、扉が開く

「おはようなの！」

と、麦わら帽子の彼女は微笑んだ。

「エマなの！庭師をしているわ！」

よろしくね！と手をこちらに向けたが私がきゅっと両眼をつぶったらあぁ、と手を下げた

「何もしないわ、A私は酷いことはしないの。」

殴られる、と身を小さく丸めたが、優しい衝撃しか来ない。
恐る恐る目を開けるとエマは私を撫でていた

「よしよし…怖くない、怖くないの。」

リサ。と彼女は私の頭を撫で続けた

『わ、私、わ、リサじゃ、ない…』

無意識だったのだろうか、はっと顔を上げて、私を見つめた

「今言ったことは忘れて…？リサはもういないの。今は、エマなの。」

緑色のきれいな瞳が私を見つめている。懇願している瞳にコクンと頷けば微笑んだように朝食の時間なの
と、微笑んだ。

はい。と答えて、震える手足を抑えるようにきゅーっと握りしめては両手を伸ばす。

理解ができないように伸ばされた両手を握るとエマは握手をした。

空白の時間を暫く過ごした。

お互い、どうしたんだろう。と

コンコンと再びドアが叩かれる。
エマが「私が出るなの！」と扉に近づいてラックさん？！と声を上げた

「僕だって不本意だよぉ…」

お世辞にも似合ってるとは言えないメイド服に見を包まれた男性は、似合ってないのだが、どこか可愛げがあった。

「僕の名前はラック。よろしくね、Aさん。」

あぁ、今はテウさんかなぁ…？と私を見やった

『ええと…』
「あぁ、彼から聞いてるよ。まずは着替えないとね。」

そうして、麦わら帽子の子に、「着替えをよろしくね」と言うと私を抱っこして、床に下ろした。

足の裏からじんわりと冷たい感覚がする。
「了解したなの！」と彼女が前のボタンに手をかけようとしたときに自身の震えに気がついた。女性に服を脱がされることは姉を連想した。

こわいと思う前に、「わ、わぁー！」と彼は飛び退き、「ウッズさん！！僕こんな不本意な格好してるけど男の子なんだからね？！」と顔を両手で隠した。

『お着替え、お兄ちゃんも時々するから気にしなくていいのに…』

「するの！」

僕は男の子なんだから！
と、大声で叫んだ。

隣からはガタガタと何かを落とした音がした。