彼女はもともとⅢ (ページ12)

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ママの日記ページ12

静かな部屋に、屋敷内に
彼女らも、何かがおかしい。と察知した

彼女には可愛そうな事をする。

でも、ここから見える顔が、とても滑稽だ。
自分たちが独自開発して炊いた、精神破壊の香。
彼女には幼児退行という形で出てきたが、そこを利用して、自分たちがいないと何もできない完全な人形を手に入れるつもりだっただろう。

でも、彼女も反発心を持った一人の人間。

トラウマを持たされた少女は屈服しなかったわけだ。

猟奇的な一家と、心優しい少女の相性は悪かったということさ。
作戦はうまく行かなかったということ。

さぁ。

“あの日”の再現をしようじゃないか。

会話が聞こえ、しめしめと。

さぁ、あの時をなぞろうではないか。

〖12/17

私はAを連れて、外に出る。
愛する愛娘。
あいつを殺してさえいればこんな目には私は会わなかった。
ごめんね。ごめんねA
惚れた弱みが、ここまでなんて思わなかったのよ。

お母さんが、責任を取るからね。
蒼の瓶は、屋敷にある薬と同じだ。
この家の秘密は私の死とともに隠してしまいます。
散歩だと思ってるんだ。ぽてぽてと私の後ろをついてくるボロボロの彼女。

長期間の監禁と拘束を強いられた精神的苦痛を

兄弟や実の父に捕われて洗脳目的で拷問に近いものを受けた肉体・精神両面からの苦痛を

回復不能な外傷、後遺症が残るほどの恐怖を

昨日まで家族として一緒に過ごしていた人が、飢えた山犬に喰われるのを間近で見たトラウマを

どうしてこの家に生まれてしまったんだろう。
どうしてここまで放っておいたんだろう。
どうしてこのこを産んでしまったんだろう。

あの子をもう少し、信じてあげればよかった。

あぁ、最低の偽善者に愛を。〗

第二の人生は、幸せでありますように。

殺戮の天使が、舞い降りた。

目の前の彼女は、ふと力を抜くと、ふるふると頭を振って、真っ直ぐ目標に近づいた。

彼女は早速、一人に目をつけた。

忍び足で忍び寄ると、殺意を少しも見せずに挨拶を交わす

昨日、彼女はテウを長時間拘束し、お腹をひたすら殴り続けた。

自分こそが一番だと教えこむように
一番愛してると言うまで彼女は殴るのをやめなかった。

『おはよう、ヘラ姉様』

「っ…？！」

腹部に刺さったナイフと彼女を交互に見やる。

『あぁ、騒がれたら迷惑ですものね。』

「っぐっ…！」

口に思いっきり、そこにあった鉄鎧の矢の先を突き刺すと、何もなかったかのように去っていく姿。

凛々しくなったものだと、拍手を送った