？？ ページ47
「ほんとなの！聖女が歩いていたの！！」
「新ハンターのやつじゃなくてか？」
「違うよ！ナワーブより少し背が高くて華奢だよ！」
「あぁ？喧嘩なら買うぞオイル女。」
騒がしい荘園はいつも通りなのに、心にぽっかり穴が開いたようだった。
食事を終えた人たちはそれぞれの用事を済ませていく
ぽっぽちゃんが新聞と共に手紙を持ってくる。
荘園主にダメ元で外出許可をお願いして、その結果だろう。
結果が気になり部屋に戻る前に読んでみることにする。
「っ…」
ﾋﾟｯ､と指に赤い線が引かれ、じわじわとそこから血が流れる
「…あれ」
そう言えば指輪、婚約指輪どこやったっけ。
外したおぼえ無いんだけどなぁ…
まぁ、無くても困らないし、見つかったなら誰かが届けてくれるだろう。
しばらくじっと見ていると誰かが走ってくる。
血が出てる！と慌てたように出血部の少し下を握りしめ、止血を試みる。
たらりと血が流れて、しばらくすれば血は流れる外をやめ止まった。
『絆創膏でいいっか』
と絆創膏を口で咥えて包装を剥がすと傷口に貼った。
流れるような作業に一言も発せず、彼女が腕に伝っていった自分の血を舐め取る行動になぜかドキッとした。
一言お礼を言う前に彼女が口を開き
『イライ、怪我したらだめだよ』
と僕の手に1つキスを落とし笑った彼女は拍手を二回する
突如強風が吹いて目をつぶった
窓が開いてないのに強風が吹き荒れる。フードが取れてしまった。
ボーッとしている僕にカヴィンさんは僕に声をかける
「おい坊主！試合だぞ。」
「あぁ、ありがとうカヴィンさん」
フードをかぶり直すと、絆創膏が付けられた指が目に入る。
はて、いつ怪我をしたっけ
手当てした人にお礼を言わないといけないなと思いつつも
その手当てした人がぼんやりとしている。
「おい、イライ、早く行かないと待ってるぞ。」
「あぁ、いまいくよ。」
どうせエミリー先生だろう、とゲームに向かった
『この撥条が止まってもただ切に愛しましょう』
誰かの鈴の声が聞こえた
【真相】
神が居ないなんて、薄々私は気がついていた
私は真実を知ったとしても、虚空のあなたを信仰しましょう。そうすることによって救われる人がいるのだから。ただ私はあなたを好きになることは二度とない。
END(？)
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作者名：COLOR莓愛 | 作成日時：2020年2月7日 3時
