彼女はもともとⅣ (ページ26)

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ハンター:夜行梟ページ26

『解読に回ろうかな…』

聞き覚えのある、愛おしい彼女の声を聞いて
まず思ったことは愛おしい。

その次にどうしよう。

新衣装に身を包んだ彼女は、自身の今の格好をどう思っているのだろうか。

「イライ、今日のハンターはあなたよ。」

朝からフィオナの声がする。

二つ隣の部屋が彼女で、世話を焼くのが実は好きな彼女の持ってきた食事をもすもすとたべた。

「あれ？ポッポちゃんは？」

「彼女も生き物だ。春の出会いくらいさせてあげたいさ。」

「とか言いつつ、Aの部屋にとばしてるのはちゃんと知ってるんだよなぁー」

知ってるなら聞くなよ。と不機嫌になるが、それを彼女に当たっても、意味が無い。
彼女のいつも使っているマグカップにコーヒーと、マシュマロをれてとかしてのんだ。

「Aのマグカップ返してあげてよ？
それないとA、飲み物飲まないんだから」

飲まなくて良いと思う。
そして困って僕の所に来れば良いのに。

格段に遅くなった手を観て彼女は首を振る。

「《でも、私は一番、あの蒼の目をした男の子が忘れられない。》

だっけ？」

「はあぁー」

大きな声で溜息を吐いた。
寝言にしてははっきりとした声だった。
その声に何か揺れる物を感じた

「…ゲキウのかわりになんかしていない…
なのに彼女はなんで分かってくれないんだろう…」

「そんなの私に聞かないでよ」

彼女の為なら死んでも良いくらい。
彼女の血肉になれるなら食べられてもいい
それくらいに好きなのに…

「うわぁ…イライ気持ち悪いね…」

「どうとでも言うが良いさ…」

ふい、と外を見たが、相変わらずの曇り空
朝から更に気が滅入る

「蒼い目の男の子か…」

誰のことだろう
蒼い目…？一体どれくらいの青なのか

「フィオナ。君は目の蒼い男の子知ってるかい？」

「しらなーい。鏡でも見たら良いじゃない」

とりあえず今日はイライハンターだからね。と彼女は小走りで走り去った

行きたくない

渋々そうやってハンターとして席に座った。

毛づくろいする梟と戯れていたら、真っ先に入ってくる彼女。
相変わらず美しく、愛おしい。

だからこそ、次に来たリッパー。ジャックには醜い嫉妬心を向けてしまう

『…画家様ね、秘密にしておくつもりだったのに』

あぁ、なんとも愛おしそうな目をしてる。
僕にはそんな目を向けてくれたことなんて無い癖に。

(僕に無くて彼にある物って？)

八つ当たりに近い形で悪いが、真っ先に狙ったのはジャック。

憎いことに、彼はまた彼女と一緒だった