彼女はもともとⅣ (ページ25)

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試合ページ25

『……』

1番始めに来て部屋に座れば、微かになってるオルゴール。

独特な音程でリズム良く鳴るそれは、いつも誰かと話しながら入る、3番目くらいに入る私からしたら大発見だった。

(今回は普通のマルチ部屋。怪我の状態は…あまり大きな動きをしなければ開くこともなさそう。
抜糸までおとなしくしないと…)

今日は解読に回ろうかな。
一言言えば、良いこと聞きました。と後ろから変態紳士の声がする

抵抗することもなく彼の首に添わされた刃物の感覚を感じていた

かつてはこの刃も私は怖がっていたっけ。
1番はやっぱりマリーとの試合が今でも怖い。

「随分丸くなりましたね。」

『私が丸くなってつまらないって言うなら自分の腹部を見れば良いじゃない。』

下の方でパレットナイフを向けた私に、彼は「やっぱり取ってたんじゃないか」と私を撫でた

『…画家様ね、秘密にしておくつもりだったのに』

1つ無くなってた時点で君だとは分かっていたからね。と彼は隣の席に座った。

『戻らなくて良いの？』

「あれ？知らなかった？今週からハンターもサバイバーも混合で試合だよ。」

だからハンターがサバイバーと一緒に試合することも可能だ。

彼は遠い目をしている
どうやら傭兵に最初から最後まで追いかけ回された哀れなハンターとは、ジャックだったらしい。
「彼には会いたくない…彼はダメ…」とブツブツ言っている。

『初耳なんだけど…』
「そりゃそうさ、君は彼女の…「よ、」さべだぁぁぁぁっ！！」

彼はナワーブに纏わり付き話を遮った。
その後、彼の次に来たのはフィーで目の前が暗くなる。

ハンターは誰だろう。

『ジャックとここで絵を描いたわね。』
「憶えていてくれたのかい。嬉しいなぁ」

彼の内在人格は6つ。いつもの奴と1つ、【不適合】という物がついている。

《普段してないことをするなんて、私には無理だ。解読速度が30%低下》という厄介な物がついているため、私と一緒に行動していた。

「ハンターが分からないから尚更怖い…」

『んふふ…画家様は臆病なのね。』

だってまだ書き終わってない絵があるから…
すねたように笑う私の方に見覚えのある梟が飛んできた

『あれ…？イライさんの…』

占い師居たっけなぁ…？
私の肩に止まる前にジャックが手を引いた
「逃げるよ！！」『えっ？！ちょっと！』

走って！と引っ張る彼に手を引かれ走る。
梟はずっとついてきて、中央の2階建ての地下へと走るとやっと諦めてくれた。

「ここに隠れて」
『ジャックは？』

大丈夫。という彼に十字架を渡した。