彼女はもともとⅣ (ページ16)

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当たり前ページ16

試合を終えて、ハッチから出ると先ほどのオフェンスが私の服の襟を掴み上げた。

機械技師はめそめそと泣いていた。

「お前のせいで、ランクが落ちた」

『あら、愚昧な貴方たちに似合ったランクじゃなくて？』

良い負け犬バッチじゃない

そう微笑めば彼は私を突き飛ばした。
仲間達と合流して、先ほどの話しをしていたのだろう占い師が私に走り寄って支えてくれた。

冷たい視線が刺さる。
試合だけが皆に放送されており、逃げることは出来なかった。

最初の事を知るのは、その場にいた人達だけ

『人のことを煽るからよ』

「下手くそなお前のせいだ！」

人のせいにしないで欲しい。
貴方たちと一緒に脱出したくないと思わせた貴方たちが悪いのよ。

『あら、私の仕事の足を引っ張るからじゃない。』

私はただ祈りを捧げ、皆に十字架を渡そうとした。ただそれだけだったのに

貴方たちは窓を飛び越え、板を倒し、私を突き飛ばした。

「最初の時点で彼女のことを知ろうとしておけばまた結果は変わったはずなのに…」

そうしなかったのは君たちのせいじゃないかと
占い師は庇う。
そんな能も無かった、人を見下すしか能がない彼らを哀れに思うしか無い。

『離してくださらない？脳筋が移っちゃうわ』

「ハンターが私を攻撃しようとしてた所見てた癖に…！
何でこんなことしたのさ！」

機械技師が叫ぶその答えにこたえてあげる。

『そうね…貴方たちを愚か者だと仮定して、貴方たちが今回のメンバーだと仮定しましょう？
あぁ、、どちらも同じ意味ね失礼』

ギリリと歯を鳴らすのは今度はオフェンスの番だった。

私のドアノブに掛けた手を掴み大きな手をグーにして振りかぶる。

「女の癖に…！！悪魔の癖に人間じゃない癖に…！！」

ほんと、知能のない所の彼は嫌いだわ。
私の家族そっくりね。

『Thank you for being so condescending.』

殴られる事覚悟でそう嘲笑ってやると、来る衝撃に備えた

しかし、影が差すくらいで、いつまでたっても衝撃なんて来ない

オフェンスの大きな手を押さえたのは、私の荘園のエリーだった。

「同じオフェンスとして、同じ俺として女に手を上げるのは最低だぞ。」

ニッコリ笑ったトレイシーが機械技師に笑いかける

「夜道、歩けたらいいね」

私の腰を抱きしめ踊るように前に連れ出す私の愛しの人と手を取ってわらう

「Aにここは相応しくないよ。かえろうか。」

『ええ、そうね

さよなら』

誰かが私を悪魔だと叫ぶ。
当たり前じゃない。と笑った

天使と悪魔は表裏一体よ。