彼女はもともとⅣ (ページ14)

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ランクマページ14

はじめから、ほかの荘園の彼らとランクマに一緒になるのは嫌だった。

「迷惑かけんなよ、聖女」

「あは！良い子ちゃんだからおとなしく時間稼ぎになりなよ」

私の荘園のオフェンスもトレイシーもとても優しい人だ。

この場合はきっと、「今日もよろしくな！」とかトレイシーなら「ロボを含めて6人逃げしよ！」と

ふふ、と笑える冗談を言うのだ。

自分の荘園と他人の荘園でこんなにも性格が表れてしまうのか。と思うとひどく滑稽で
それでいて嫌悪を増幅させる。

じくじくと心臓を包む何かが私の首元を締めていく。

(彼らの顔をしてそんな醜い言葉を言って欲しくない。)

死ねば良いのに。と憎悪が倍増されていく。

「気にしなくていいさ。」

『うん…ありがとうございます。』

他所のイライはとても優しくて

途中まで一緒に手をつないで隣を歩いてた彼が心配になってくる。
こんなクソみたいなことを言う顔の似た彼、彼女と一緒じゃないと良いんだけど。と願う。

「そもそも私達の荘園には聖女なんて職業いないよね～、何すんの？」

「願うしか脳がねーんじゃね？」

あの幸運児と占い師とかいう終わったやつみたいに

(止めろ私…他所の彼らの関係に首を突っ込むな…)

聞こえた言葉は、明らかに私の荘園の人達に言われた言葉じゃないのに
私の友達に向けて言われたように思えてきて
私の恋人に言われた気がして
隣の何の罪もない彼に言われた気がして

ギリッ、と歯が鳴り頭痛で頭を押さえると目をつぶった。ガラスの割れる音がした

赤の教会はあの事件があってから近づかなかった。
けれど、ランクマには関係ないか。と解読を進めていく。
私を見つけたオフェンスは解読機をさわり初めてわざと大きな音を上げてバチン！と失敗させた。

「わりーわりー！でも良い子ちゃんだから許してくれるだろ？」

と板を倒し、窓を越えて逃げていった。

(エリーの皮を被った悪魔だ。死なないかな。)

と思いながらも解読を進めた。

「あ、居たんだ、あんた。」
声が五月蠅いなぁ。と解読を進めていると

「邪魔なんだけど。」

と突き飛ばされた。
大きな音を立ててまた、バチッと音が鳴り

「下手くそ。生け贄にでもなってくれば？」

と笑われた。

『…』

ぽそりと呟いた『死んでしまえ。』は
聞こえてないようで

『随分都合の良い耳ですこと。さすがね。』

と、「解読に集中して！」って表示された彼のところへと駆けだした。

残り５台も残っているのに、ファーストチェイスのオフェンスは狩られてしまった。