【実ｼ兄者】彼は地獄を蹂躙す【ωrωrd!】 (ページ46)

今日:3 hit、昨日:8 hit、合計:9,161 hit

護られるべき人ページ46

『男はあぁも馬鹿な者か。』

「な…何があったん？」

ロボロは目を白黒させた。
私はフユーラーの面白そうに笑う顔を見て溜息を付いた

『貴様ら！私に構う暇などあれば速く走らんか！』

「「「はい！！！」」」

「ほんまに何があったん…？」

暗殺部隊はピュアーレをのぞき、掌を返したように私に従順になった

あの夜、私はただ、理不尽をピュアーレに当たり散らし周りを泣き落とした。

あること無いこと
虐められた暴力振るわれた首を絞められたなど
理不尽に叫び、泣いただけで

「A曹長大丈夫ですか？」

「A曹長段差が…！」

『えぇい煩わしい！！訓練に戻らぬか！！』

この有様だ。
たしかにロボロが一夜にして何かあった？と聞きたくなるのも解る。

しかし、ロボロが本気で私を狙ったことで出来た痣なども私にとっては昨日の作戦を成功させるスパイスであったため

『ロボロ二等兵。ありがとうな。』

「ﾌｧｯ?!」

少し頭を撫でただけでなんだその反応は泣くぞ？

「やぁA殿うまくいってるようで何よりだよ」

『お生憎様貴方のお陰でね。それは感謝する』

「いやいや！あのアドバイスで泣き落としをするA先生の腕の良さですね！」

『それ以上誉めて見ろ。私の弓矢が脳天を貫いてお前の頭に穴を開けるぞ。』

わかりやすい照れ隠しだな。と言われたが、私はこけにされてることを理解できるので

『散れ！！』

「おやおや、怖い怖い」

ケラケラ笑いながら去って行くフユーラーに中指を立てた。

「お、俺が一番…！」

『そうだな。今日のプリープは免除だ。』

「っっしゃ！！！」

暗殺部隊とその他の目線の温度差に風邪を引きそう

抜けた身で有りながらこうやって、また再び指揮を執れるのは暗殺部隊と、アロマ上官のお陰。

………少しだけ、グルッペンのお陰でもあるかも知れない。

言わないけど。

「ロボロ！今日こそ倒してやる！」

「でた。煽りポメラニアン」

「うるせぇホビット」

「死ねっ！！！！」

スケープゴートは素晴らしい者だな。
と私は自身の訓練に精を出す。

「…ピュアーレまだいたんだな」

「さっさと退学してくれれば良いのに」

ピュアーレ本人は辛いものだろう
冤罪で周りに虐げられてやっていけないのだろう

しかし罪悪感は感じなかった。

それもそうだ。侮辱した相手に何故罪悪感など感じなければならない？

(……ふっ)

寧ろ、ざまぁみろと思っている私も居た。
噂は尾ひれ背ひれを付けて広まり、可哀想なことに彼の味方は一人も居なかった。